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日本プロ野球の交流戦は雨にたたられている。昨年は6週間という期間で神宮3試合、フルキャスト宮城2試合、横浜1試合と6試合しか中止がなかったが、今年は3分の1を消化した時点で早くも昨年に並ぶ6試合(甲子園3、広島、スカイマーク、フルキャスト宮城各1)。今後の天気予報も芳しくなく、日程消化に関係者は頭の痛いことだろう。19日の阪神・オリックス戦(甲子園)中止の予備日は22日に行われた。19日のチケットは払い戻しされ、改めて20、21日に各プレイガイドなどで販売。残った分は当日売りという、球界では最もチケットをさばきにくい条件だった。

観客動員の低いヤクルト、横浜、楽天主催試合だったこともあり、昨年の予備日6試合の合計は7万5736人、1試合平均1万2622人しか集まらなかった。動員力のある阪神でも月曜日の上、昨年カード別で最も不入りだったオリックス相手だけに、私も超満員の土、日曜日の半分の2万5000人前後と予想していた。試合開始直後のテレビでの映像は外野席も埋まらずにネット裏は閑散としていた。ところが、連勝している勢いか、試合が始まるに連れ続々と虎ファンが詰めかけ、発表は3万3002人。実数発表となった昨年から最少観客数となって阪神の営業部は「平日で当日売りが伸びなかった」と肩を落としたというが、他球団の営業担当者が聞いたら「そんなに自信があるのか」と唖然とするだろう。

降雨中止の予備日にファンを呼ぶのは洋の東西を問わずに大変だ。人気絶頂を誇るヤンキースでも、松井秀喜が渡米した2003年9月8日のブルージェイズ戦では、前日5万5212人集まったヤンキー・スタジアムに何と8848人。松井のボブルヘッド人形プレゼントデーだった7月22日ブルージェイズ戦が中止になり、移動日に組み込まれたものだが、2か月前に日程が発表されたにもかかわらず、そしてプロモーションも引き継がれたものの、その効果もなくガラガラのスタンドだった。

今の阪神ファンの動員力はヤンキース、エンゼルス、カブス、レッドソックスという大リーグの名だたる人気球団と遜色ない。それだけに、阪神のメディア・ガイドに観客動員の詳細記録を掲載して欲しい。2年前にも書いたが、海の向こうの(デトロイト)タイガースはメディア・ガイドだけで2ページを割いている。年度別は1959年以降になっているものの、各種最多動員記録とともに1928年9月24日のレッドソックス相手の1試合最少となる404人(ナイトゲームでは64年8月20日エンゼルス戦の2173人)という不名誉な記録まで掲載。当然、カード別の最多動員試合も載っている。先週末に米国で行われた交流戦第1ラウンドではドジャースがエンゼルス相手の3試合に16万6904人を集めて、1962年ドジャー・スタジアム完成後3連戦の最多動員記録を作ったと発表したのも、そんな動員記録のページがあればこそだ。

昨年、日本のタイガースが作った313万2224人(73試合)は、本場のタイガースの最多記録(1984年の270万4794人=81試合)を大きく上回っている。だからこそ、12球団初の観客動員のページをメディア・ガイドに掲載して先鞭をつけて欲しいものだ。先人の記録を目標にする選手同様に、その数字が営業担当の指針となるはずなのだから。

【2006/5/23 スポーツ報知】
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