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◆中日0―4巨人(3日・ナゴヤドーム)

 巨人の新星・姜建銘(ジャン・チェンミン)が、驚異の制球力でプロ初完封勝利を挙げた。プロ3度目の先発になった姜は、立ち上がりこそ走者を背負う場面もあったが、5回以降はパーフェクトで強竜打線を5安打無四球完封。デビュー以来24回2/3四球ゼロという抜群のコントロールで、完封を成し遂げた。

 何度も何度も右手を振ってファンに応えた。異国の地でたくさんの人が自分に声援を送ってくれる喜び。「とてもうれしいです。とにかくいつも通り全力を尽くすだけでした」ヒーローインタビューを受ける姜建銘は、マウンド上では決して見せない無邪気な笑顔を振りまいていた。

 3度目の先発で手にしたプロ初完封勝利。独特の腕の振りとテンポ良い投球で、中日打線に的を絞らせなかった。前夜、逆転弾を放った福留に対しては、チェンジアップ、フォーク、シュートと多彩な球種を駆使して4打数無安打に封じ込めた。「とにかく打ち取ろうという気持ちだけだった」5回以降はひとりの走者も出さない安定感で、2勝目を無四球で飾った。

 これまで5試合で打者89人を相手にして、四球はいまだゼロ。抜群の制球力が好投の秘密だ。「四球は球数が増えるし、効果的じゃないから絶対に出したくなかった。制球が良くなるコツ? 一生懸命練習すればよくなると思う」昨年7月に来日した際、2軍首脳陣から練習不足を指摘され、徹底的に走らされた。昨季の2軍戦登板はわずか2。実戦より下半身強化にあてた時間の長さが、姜のベースとなっている。

 登板2日前の夜には、心を躍らせながらあこがれの人に会いに行った。かつて中日でストッパーとして活躍した郭源治さんが名古屋で経営する台湾料理店で、感激の初対面を果たした。「野球だけじゃなく、他のこともしっかり考えてやりなさい」がっちり握手を交わしながら、異国の地で活躍するための助言をもらった。野球だけじゃなく普段から自立した生活を送れ―。尊敬する先輩と言葉を交わし、久しぶりに郷土料理に舌鼓を打ったことも、この日のエネルギー源になっていた。

 「あれだけ内野ゴロが多いのは打ちづらい表れだね。フィールディングもバントも総合的にできる。彼の存在は明るい材料だ」ナゴヤドームでの連敗を7で止めた姜の快投に、試合後の原監督は賛辞のコメントに終始した。21歳3か月での初完封勝利はチームでは87年に桑田が19歳3か月で達成して以来の快挙。試合後は、胸を張って今後の目標を口にした。「ノーホームラン、ノーフォアボール!」まだまだ底を見せない若武者は、無欲に、どん欲に走り続ける。

 巨人・原監督「(姜は)球種も豊富でコントロールもいい。あれだけゴロが多いのは、打者が打ちづらい表れ。フィールディングにしろバントにしろ、総合的にできる。フィールディングは特に見事ですね。彼の存在は明るい材料です。(ナゴヤドーム連敗ストップ?)きょうが(今季)最後だったし、勝ててよかった」

【2006/9/4 スポーツ報知】
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