【阪神4―2広島】メークドラマの道筋がはっきり見えた。阪神は14日、金本知憲外野手(38)の21号先制ソロなどで広島に4―2で競り勝ち5連勝。今季70勝目を飾るとともに、首位・中日とのゲーム差を「4」に縮めた。8月27日の最大9ゲーム差を2週間あまりで猛追する躍進ぶり。15日からの首位決戦では今季未勝利の鬼門のナゴヤドームで、竜の尾をつかまえる。

 奇跡への扉を開ける一打が薄暮の空に舞い上がった。2回、金本が21号先制弾を右翼席へ。「詰まり気味」と苦笑いも中段に運ぶのだから、好調ぶりが伝わってくる。最近5試合で4発の量産ぶり。「きょうは全部ホームランボールやったのになあ。(6回の)センターフライも惜しかったわ」。4番のジョークがさえた。

 勝ち越し打は先発メンバー最年少、25歳の鳥谷のバットから生まれた。8回2死満塁から遊撃・梵のグラブをはじく2点適時打。これで満塁時の打率は・471で打点13。持ち前の勝負強さで連夜の勝利打点を叩き出した。「ストライクゾーンに来たら打って行こうと思った。何としてでもリードしたかった。負ければゲーム差は開くだけ。勝てば縮まる。だから勝つしかない」とお立ち台で胸を張った。

 決勝点は岡田監督のタクトが呼び込んだ。8回1死一塁、片岡に代わりスペンサーを代打に送ると、広島ベンチは右投手の梅津にスイッチ。すかさず指揮官は代打の代打に桧山を告げた。そのベテランが一ゴロの進塁打を放つ。さらに2死二塁から金本、浜中が連続四球でつないだ。指揮官の勝利への執念に鳥谷らナインが応えた。

 文字通りの一丸野球でつかんだ1勝。今季5度目の5連勝で広島戦5年連続の勝ち越しを決めた。「ここまで良い形で来られたからな」と岡田監督がほくそ笑む。ここ13試合11勝1敗1分けの快進撃で、中日との差も「4」まで接近だ。

 15日からペナントの行方をかけた大一番が始まる。「そううまくいかんかもしれんけど、気持ちだけはノリノリでいきたいなあ」と金本。鳥谷も「中日は関係ない。ゲーム差も関係ない。勝つしかない」とナインの思いを代弁した。9月15日は03年に18年ぶりのセ・リーグ優勝を決めた記念日。広島で連勝街道に弾みをつけたチームが敵地に乗り込む。

【2006/9/15 スポニチ】
arrow
arrow
    全站熱搜

    ht31sho 發表在 痞客邦 留言(2) 人氣()