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(セ・リーグ、中日0-2阪神、19回戦、中日13勝5敗1分、17日、ナゴヤドーム)虎の意地、主砲の意地や!! 阪神・金本知憲外野手(38)が七回に決勝の22号2ラン。前日のノーヒットノーランの屈辱を、執念の一発で晴らした。落合竜に完封勝ちで鬼門ナゴヤドームで一矢報いた岡田阪神。これぞ、昨季王者のプライドだ。



意地とプライドを乗せた弾道が“金縛り”を解いた。虎が猫になるナゴヤD。殴られたままで終わったら、今から来季が不安になる。遅すぎた一発というなかれ。金本がついに沈黙を破った。

「きょうは安藤やろ。あの気持ちのこもった投球でスピリットを見せてもらった。(いろんな思いがたまっていたかと問われて)そらそうよ」

七回一死一塁。中日先発・朝倉の外へ逃げていくシュートを捕まえ、激しく仕留めた。高く上がった打球。ひと呼吸置いて左翼席に着弾だ。22号2ラン。意地を示し、誇りを取り戻し、鬼門に風穴を開ける一発だった。

六回まで無得点。15日の初戦から、続けて24個のゼロが並んだ。前日は屈辱のノーヒットノーラン負け。七回一死、前を打つシーツが四球で歩いたが、これが実に2人目の走者という惨状だった。

「トカゲの尻尾のように、切られても切られても何回でも…。向こうは余裕の1敗かもしれんけど、トカゲの尻尾のようにな。首の皮一枚やけど、まだ終わってない」

竜の本丸で10連敗中。アニキの打球も高いフェンスを越えられず、ここまで不発が続いていた。初戦は憲伸に気迫負け。2戦目は41歳・山本昌に手も足も出なかった。このまま全敗なら07年にかかわる。終戦といえる差がついたが、無抵抗のまま終わるのはプライドが許さなかった。

すでに雪辱へのプランは温められている。例年の予定を前倒しして、シーズン終盤の10月初旬から「07年型ボディー」を目指した本格的なウエートトレーニングを開始するという。金本にとって目の前の試合に全力を注ぐことと、その先を見据えた準備に取りかかることは矛盾しない。これぞ肉体の“二毛作”だ。

打率.238、1本塁打、4打点。一瞬目を疑ってしまうが、これが今季、鬼門で残した金本の数字のすべてだ。FA権利を再取得したが残留が基本線。最後の抵抗を続けつつ、次のケンカを戦う準備を整えるのだ。

「最後でようやくといっても、最後やろ。ああいう形でしか点が取れんかったからな」

今季、鬼門での最終戦で一矢報いた。岡田監督も“脱出弾”に救われた。首位・中日と5ゲーム差に戻したが、そんな数字はもう超越した。残り16試合。虎魂で戦い抜くだけ。アニキは背中でそれを教える。

(伊藤雅哉)

★喝!シーツが火つけ
ブチッ!! シーツの怒りがアニキの一撃を呼び込んだ? 七回一死。先発・朝倉の真っ直ぐが顔の近くをかすめた。仰け反り、四球で出塁。一塁へ向かう際、マウンド上を左手で指差して怒りの形相で吠えた。

「朝倉には顔のあたりに3回ぐらい投げられていたから。お腹ならいいけど、顔のあたりはね」

過去に“前科”があってのこと。さすがの朝倉も、これにはビビッた? 四球で歩いた直後に、金本に決勝2ラン。虎の闘争本能を呼び覚ましたシーツの行動に、岡田監督も「ナイスアシストや」と褒め上げた。

前夜は準完全試合。四回二死、右中間へ二塁打を放ち、実に13イニングぶりに『H』ランプを点灯させた。自己最多タイの162安打。「初ヒット? それは関係ないよ。チームが勝てばいいから」。試合後は連敗脱出に一転、冷静な口ぶり。いつもに紳士に戻った。

★赤星ようやく“抵抗打”
1、2戦とヒットのなかった赤星も最終打席で意地を見せた。八回二死の第4打席で朝倉から左前打。金本に続けとばかりに最後の抵抗だ。

前日16日は山本昌にノーヒットノーランを喫したが、最後の打者が赤星だった。「何を言っても言い訳になる」と悔しさを飲み込んだが、ようやく吐き出せた。3連戦は12打数1安打で終了。愛知は出身地でもあり、来季こそ巻き返しだ。

【2006/9/18 サンスポ.COM】
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