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 ○阪神4-1巨人●

 阪神が4試合連続の2けた安打で5連勝。首位中日とのゲーム差を3とした。1点リードの五回、1死一、三塁から金本が右前打、浜中が中越え二塁打と連続適時打で3点を加え、継投で逃げ切った。巨人は決定打を欠いた。姜建銘は初黒星。

 ▽阪神・岡田監督 この巨人2連戦、(逆転優勝に向けて)いい再スタートが切れたと思う。福原はピンチが多かったが、藤本らバックがよく守った。

 ▽巨人・原監督 (8安打で)打線がもう少し打たないとダメ。(試合を)淡々と迎えて戦い終わったじゃ困る。

 ▽阪神・ウィリアムス 今日はタイガースの守備のすごさを実感したよ。

 ◇グラブでヒーロー…ノーヒットの藤本

 阪神の勝利後、ヒーローインタビューに呼ばれたのは、この日ノーヒットの藤本だった。バットではなく、グラブで呼ばれたのだ。

 値千金のプレーを見せたのは五回裏。この回、巨人は先頭の二岡が左中間二塁打を放つと、矢野も左前打で続き無死一、三塁。一打出れば試合の行方はわからない。打者は代打・清水。4球目を軽くミートし、右方向へライナーが飛んだ。適時打か、と思われた瞬間、二塁・藤本が173センチの小柄な体を精いっぱい伸ばしてジャンプ、好捕した。

 その後、脇谷の三ゴロで2死一、二塁と状況は変わり、打席には鈴木。ファール4球と粘った後、センター方向へ鋭いゴロを放つ。この打球に、またも藤本が逆シングルで飛びついた。グラブの先に白球を収めると、素早く体勢を立て直して一塁送球、鈴木を刺した。1イニングに二つ、しかもピンチでのファインプレー。インタビューに呼ばれるのも当然だ。

 「好プレー? たまたまです」と謙そんした藤本だが、「打者や状況による(打球の方向などの)データを頭に入れておくだけでも違いますから」。バッテリーとの呼吸が合い、内野全体がデータに基づいて機能的に動くからこそ、絶妙のタイミングで打球に食いつけるのだ。

 そうした動きができる最大の理由が「1球1球への集中力」(藤本)だ。この日の相手、巨人とは対照的に、阪神にはまだ目標がある。「奇跡の逆転優勝」という厳しい、しかしわずかに可能性が残る大目標が。首位・中日とのゲーム差は「3」に縮まった。残る12試合、阪神ナインは1球といえどもないがしろにせず、集中していくしかない。【神保忠弘】

 ○…快進撃を続けていた巨人・姜建銘が4度目の先発で初のKOを喫した。立ち上がりから制球が不安定で、初回に暴投で失点すると、五回には4長短打を集中され3点を失い、降板した。「ブルペンではすごく調子が良かったんですが、マウンドに上がるといつもとリリースポイントが違っている感じがした。そのため細かいコントロールができず、真ん中に集まってしまった」。前回17日の登板後、パスポートの更新のため台湾に一時戻ったが、そのために微妙にリズムが狂ったか。「もう一度調整し直して頑張ります」と雪辱を誓っていた。

 ○…初黒星を喫した巨人の姜建銘は「細かい制球ができず、球が真ん中に集まってしまった」と反省。五回、失投を金本、浜中に連続適時打を浴びるなど4安打で3失点した。12月のアジア競技大会(ドーハ)の台湾代表に選ばれ、旅券を更新するために18日、台湾に戻る慌ただしさも影響したのか。それでも「(普段とは)リリースポイントが違う感じがした。次回はもう一度、調整し直して頑張る」と気持ちを切り替えていた。

【2006/9/24 毎日新聞】
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