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 甲子園を沸かせた選手がまた一人、ユニホームを脱いだ。阪神・片岡篤史内野手(37)。春夏の高校野球でも活躍した強打者が、12日、甲子園球場での引退試合で15年に及んだプロ生活にピリオドを打った。

 8歳で野球を始めて30年。いつも「甲子園」が目標だった。大阪・PL学園高で主軸として、立浪和義(中日)、野村弘樹(元横浜)、橋本清(元巨人)らと1987年に春夏連覇。フリーエージェント宣言して2002年に阪神へ移籍したのも、「甲子園で野球をしたかったから」だった。

 だが、あこがれの舞台は厳しかった。移籍1年目の打率は2割2分8厘。不振をかこった打撃にファンから容赦なく罵声(ばせい)が浴びせられた。「何度も泣きながら、球場を後にした」。一方、最高の思い出もある。2003年9月15日、星野前監督のもと、18年ぶりのリーグ優勝を決めた広島戦で同点本塁打を放った。そして、「(PL学園)先輩の桑田さん(巨人)から、150号本塁打を甲子園で打てたのも、すごく良い思い出」と振り返る。

 脇腹、ふくらはぎ……。度重なる故障が原因で、04年からベンチを温める試合が増えた。今季も、4月10日に一軍登録抹消。「けが以外で初めて二軍に落ちた。夏ごろから、今年で終わりかもしれないと頭にあった」。今岡の離脱で先発機会を得ても成績は残せず、終盤も出番は来なかった。

 12日の引退試合。5万人近い観衆が、久々に先発フル出場した背番号「8」の一挙一動に歓喜した。片岡は言った。「夢の舞台で、これだけのファンの前で終われるのは幸せ。最後は温かく見送ってくれた。感無量です」

【2006/10/14   YOMIURI ONLINE(読売新聞)】
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