阪神に希望枠での入団が内定している小嶋達也投手(21)=大阪ガス=が23日、京セラドームで行われている日本選手権2回戦の新日本石油ENEOS戦に登板した。九回一死でマウンドに上がり、打者2人をピシャリ。MAXは142キロで最後の打者を三振で締めた。チームは5-7で敗退したため、社会人最後の大会は終了。この悔しさを胸に、阪神で日本一を目指すことを誓った。

 3年間、共にしてきたチームメートを背に、小嶋がマウンドで躍動した。九回表二死三塁。裏に味方の反撃がなければ、社会人最後の1球になるかもしれない。大きく息を吐き、選んだのはもっとも自信のある直球。左打者・坂下の外角低めへ、ビシッ。晴れやかな将来を予感させるような、空振り三振で締めた。

 「今日は悔しいです。大阪ガスで何をやってたんやって言われないように、阪神では頑張りたい。もちろんプロでやる以上は日本一を目標にやります」

 5-7とリードされた九回一死二塁に、登板機会はやってきた。準々決勝での先発も考えられたが、中内監督は温情登板ではなく、勝つための最善策として中継ぎ登板を命じた。「延長でも行けると思っていた」。この期待に、小嶋は応える。樋口を二ゴロ、坂下を三振。MAXは142キロで、2人でピシャリと抑え込んだ。

 岡田阪神の希望枠。嫌でも注目は集まる。だが、大阪ガスでの3年間は故障続きで、その実力はベールに包まれていた。成長が期待された今季は2月のキャンプ中に打球を顔面に受け、ほお骨を骨折。思うような調整ができずに出遅れた。登板機会が少ないまま“最終戦”を迎えたが、土壇場になって、ようやく素質の片りんを見せた。

 「社会人に入って、最初は長かったけど、今年はあっという間だった。いろいろできたことはあったと思う。もっと試合で投げたかった」。悔いはある。やり残したこともある。そんな思いをバネに、小嶋はプロでの活躍を勝ち取るつもりだ。

 岡田監督は井川の背番号「29」の禅譲を公言するばかりか、来春の1軍キャンプ参加も決めている。その期待を裏切るわけにはいかない。社会人ラス投は、くしくも来季の開幕戦となる京セラドームとなった。

 「プロでやる以上は、チームの力になれるようにやっていきたい。開幕投手?そういう気持ちでやりたい」。阪神では、絶対に完全燃焼してみせる。

【2006/11/24 スポーツ報知】
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