阪神が非常事態に陥った。浜中治外野手(28)が右肩の痛みを訴え、6回の守備から赤松と交代した。浜中は過去に脱きゅうによる負傷から同個所に2度、メスを入れている。23日に精密検査を行うが、診断結果次第では戦線離脱の可能性も出てきた。阪神は22日、17安打と打線爆発の巨人に今季初の2ケタ失点を喫し、3-10と完敗。3カード連続の負け越しで、開幕黒星以来の借金1となった。苦しいチーム状況に加え、主力に負傷者と阪神が最初の正念場を迎えた。

 ただ大敗しただけではない。浜中が、古傷再発の危機に見舞われた。試合中に一塁側ベンチで、2度手術した右肩の異変を訴えていたのだ。「痛みが強いので外して下さい…」。スコアボードから名前が消えたのは6回表。赤松と交代し、そのままトレーナーを伴って、クラブハウスへと引き揚げた。

 試合後、常川チーフトレーナー補佐は「試合中に右肩痛を発症したので、試合から外しました。打撃中? それは分かりません。(昨年)秋季キャンプのときの痛みに近いんじゃないか」と説明した。22日は病院に行かず、アイシングと電気治療を施した。23日に精密検査を受け、今後の方針を決めることになる。浜中は06年11月の倉敷秋季キャンプで、練習中のスローイングで右肩の違和感を訴えた。筋力トレーニングによる強い張りとの見立てで、3日後にはキャッチボールを再開。このときは軽症にとどまっていた。

 悪天候も、右肩への負担になったのか。22日の甲子園は断続的に小雨が降っていた。4度、右前打を処理し、内野に送球も行っている。吉竹チーフ野手コーチは「突発的なものじゃなく、蓄積されたものじゃないか。選手のほうから言ってきたから、早めに対処しないといけない」と、慢性的な疲労による痛みと判断している。浜中は試合後、無言で帰宅。岡田監督も、報道陣から「トレーナーから報告があったが…」と問われると「そういうことよ」と多くを語らなかった。

 浜中は03年6月、スローイングの際に右肩を脱きゅうし「右肩関節唇損傷」と診断された。同年7月に手術し、04年に戦列復帰した。だが、同年5月に再び負傷した。「右上腕二頭筋長頭の炎症」と診断され、2度目のメスを入れている。長期離脱した古傷の個所だけに、検査の結果が心配される。

 開幕から打撃の状態は一向に上がらず、今季はスタメン落ちも味わった。22日も2打数無安打。20試合に出場し、打率1割5分8厘。いまだノーアーチと低迷する。昨季は4月に月間MVPを受賞した。完全復活を果たした06年との落差は、あまりにも大きい。絶不調、そして右肩の異変…。長距離砲に、そして大敗に主力の負傷が重なった阪神に「暗雲」が立ち込めた。

【2007/4/23 Nikkansports】
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