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 (パ・リーグ、ソフトバンク1-4オリックス、23回戦、オリックス13勝10敗、24日、ヤフードーム)ソフトバンクは、王監督の最後の本拠地球場での試合を白星で飾れなかった。11年ぶりのBクラスが確定し、クライマックスシリーズ出場も消えた。

 涙を見せることはなかった王監督は「普段は涙もろいんだけど、自分のことはね。損な性分」と苦笑い。試合後のセレモニーでは胴上げで宙に舞い「不本意なんだけど、けじめをつけてくれたのだと思う。快く受けた」と選手たちに感謝した。

 長年過ごした主戦場とお別れ。「最初に踏み入れたときは、でっかいなと思った。幸せな14年間だった」と振り返り、晴れやかな表情で球場を後にした。


王貞治ソフトバンク監督

「14年間ユニホームを着させていただき、大変幸せでした。残念ながら体調が十分でなく、チームの士気にも影響が出て、二重に苦しい思いでした。来年の新生(ソフトバンク)ホークスは、若い力が花開く年になると思います」

鷹・王監督、14年間ありがとう

 (パ・リーグ、ソフトバンク1-4オリックス、23回戦、オリックス13勝10敗、24日、ヤフードーム)涙の胴上げだ。ソフトバンク・王貞治監督(68)が退任会見から一夜明けた25日、オリックスとの本拠地最終戦後、「14年間ユニホームを着せていただき、幸せでした。長い間、ありがとうございました」とあいさつ。号泣のナインから胴上げされ、福岡のファンに別れを告げた。

 世界一美しくも悲しい胴上げ。王監督がヤフードームに舞う。日本一に輝いた03年時より17キロも軽くなった体が1度、2度、3度、4度…。ナインが泣きながら背中を押した。もうこの球場には戻らない。ヤフードームの天井はいつしかかすんでみえた。

 「不本意なんだが、選手たちがけじめをつけてくれたということでしょう。残り試合はあるけど、快く(胴上げを)受けさせてもらいました」。3万5526人が見守るなか、14年間見守ってくれたファンには素直な気持ちを伝えた。

 「今年こそ、と思ったがホークスらしい戦いができなかった。チームが苦しく、体調が十分でなく、二重に苦しい思いでした」。この日の敗戦で単独3位以上が消滅し、クライマックスシリーズ出場の道も絶たれた。

 「14年間、ユニホームを着せてもらって、大変幸せでした」

 スタンドから「やめるな~っ!!」の絶叫が届く。“子どもたち”は泣いていた。小久保、柴原、斉藤、川崎、松中。ナインを代表して5人から花束を受け取った。皆、大泣きして、言葉にならない。3人のまな娘のいる王監督だが、男の子には恵まれていない。泣きじゃくるわが子をなだめるようだった。

 グラウンド上では全選手、全スタッフと握手。「こういう関係でありながら、触れることがないからね」。声をかけながら、手のぬくもりを伝えた。

 「おれは普段は涙もろいんだけど、自分のことになると涙は出ないな。忠臣蔵とか同じシーンで何度も泣いちゃうのに」。“世界の王”は最後にちょっとだけ強がった。

 「少しでも、こんな男がいたということを覚えてくれればいいよ」

 国民に愛され、ファンに愛された68歳。さようなら、王監督。博多だけではない。日本列島が涙した。(三木智隆)

【2008/9/24 サンスポ.COM】
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