WBC東京ラウンド韓国戦(7日)で7回に日本の4番手として代表デビューを果たした阪神・岩田稔投手(25)。関西ローカルから全国区のスターにのしあがるためには願ってもない国際舞台で、シンデレラボーイになれる素養は-。

 いきなり先頭打者にストレートの四球を出した後、次打者にはタイムがかかったと勘違いしてプレートを外してボーク。韓国戦をテレビ観戦していたという真弓監督は「最後は驚いたけどな」といってニヤリ。普段から仲のいい阿部健太投手も「最後どうしてボークになっちゃったんですか?『何しとんねん!』ですよ」と年下ながらも叱咤激励していたという。

 第1回WBC、北京五輪と代表を経験している藤川と違って、岩田については送り出した側としてもまだまだヒヤヒヤといったところ。

 その岩田の強みの1つが、自身の成功のために先輩チームメートにも積極的に“インタビュー”を仕掛けていけるしたたかさだ。

 岩田は昨年、チームの中でも温厚で親しみやすい先輩の藤本を捕まえて「左投手と対戦した時にどういう配球が嫌だと感じますか?」と聞き取り調査。そこで得たのが「やっぱり内角を突かれてから外角低めに変化球を投げられるとツラいな」との回答。まだ実績のない若手投手からすれば、1軍の野手に聞きづらいことを思い切ってアタック。それが奏功してブレークへのヒントにしてみせた。

 そんな強心臓の一面が魅力の岩田だが、必ずしも「コワいものなし」というわけでもなさそう。

 母校・大阪桐蔭の1年先輩、桟原将司投手(26)は高校当時は岩田にとってコワい存在で、岩田も阪神から誘いがあった当初は「桟原さんがいるので…」と当惑していたという。現在は大人同士で後輩イビリもないとはいえ、昨年桟原が故障で2軍に“隔離”されていた間に岩田が頭角を現してきたのだから面白いものだ。

 ただ、今年は桟原が復調のきざしをみせている。岩田としてはWBCで活躍してハクをつけてチームに戻り、先輩にビビらず堂々と共闘したいところだ。

 ■岩田稔 いわた・みのる 1983年10月31日、大阪府守口市出身、25歳。2005年大学生・社会人ドラフト希望枠で関大から入団。プロ入りから2シーズン勝ち星がなかったが、昨年先発ローテの一角に入り10勝10敗と台頭。高校時代に患ったI型糖尿病と闘いながらプレーを続ける。1メートル78センチ、85キロ。左投げ左打ち。年俸4000万円(推定)


【2009/3/9 ZAKZAK】
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