大リーグ各球団

 WBC東京ラウンドのネット裏から、大リーグ各球団スカウトの熱視線を浴びたダルビッシュ有投手(22)。だが、「才能はずば抜けているがすぐには使えない。むしろ岩隈のほうが即戦力」と、評価が高かったのは岩隈久志投手(27)だった。

 アジアの有力選手が集まる同大会は、大リーグ球団にとって優秀な才能発掘の見本市。特にダルビッシュに対する興味は高かったが、中国戦、韓国戦での登板を見た各スカウトの反応は思いのほか冷静だった。

 「確かに大きな才能を感じさせる投手。ただ、まだ完成した投手という印象は持たなかった。すばらしい変化球がある一方で自ら制球を乱して崩れる要素も強い」(ナ・リーグ東地区球団スカウト)

 「勝負に対して淡泊な感じ。魅力はあるが、すぐに大リーグで大活躍というわけにはいかないだろう」(ア・リーグ東地区某球団スカウト)

 潜在能力は高く評価されているダルビッシュだが、むしろ、岩隈の投手としての完成度に注目する見方もあった。

 「ダルビッシュは大リーグのローテーション投手になる最低限の力は備わっている印象だったが、1、2番手の先発投手になる力があるのと、4、5番手では大きな差がある。今の段階なら岩隈の方が上。制球がよく、勝てる投手だと思った」(ナ・リーグ中地区の強豪球団スカウト)

 9日の韓国戦でわずかなすきを突かれて決勝の1点を献上。負けはしたものの、昨季20勝投手らしく低めにボールを集める制球は安定しており、強打の韓国を最少失点に抑えた。

 岩隈は「四球を先頭打者に与えて失点してしまったことがもったいない。でも落ち着いて自分の投球ができた」と振り返り、2次ラウンドに向けて表情は明るい。山田投手コーチも「岩隈の投球は十分。何も心配していない。すばらしい投球だ」と敗戦にも不安はない様子だった。

 若さあふれるダルビッシュと故障から復活した岩隈。対照的なキャリアの両投手だが、ともに現在は渡米志向がないことを公言している。

 不況の中で大リーグ球団の財布の紐も締まるご時世。レッドソックスの松坂の1億ドル渡米を上回る大型移籍を実現する日本人選手は果たして現れるだろうか。


【2009/3/10 ZAKZAK】
arrow
arrow
    全站熱搜

    ht31sho 發表在 痞客邦 留言(0) 人氣()