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 阪神の新外国人、ジェン・カイウン投手(20)=鄭凱文、文化大2年=が12日、台北市内の高級ホテル「西華飯店」で入団会見を行った。WBC台湾代表選手でもあったジェンの日本行きに、地元メディア全15社が集結。祖国の期待を一身に背負った熱気あふれる会見で「開幕1軍に入って、巨人を倒したい」と力強く宣言した。

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 無数のフラッシュに、思わず顔が紅潮した。詰め掛けた地元メディアの人数が、ジェンへの期待の表れ。新聞、雑誌関係4社に、テレビ局11社。、台湾の全メディアが集結し、総勢50人を超える台湾報道陣が、海を渡る男の門出を祝った。

 阪神球団としては前例のない、海外での入団会見。「両親やお世話になった人に、恩返しがしたかった」というジェンの要望を快諾し、今回の実現に至った。台湾記者の“質問攻め”は30分以上にも及んだが、報道陣の数、熱気に地元関係者は「メジャーへ行く選手と同等か、それ以上のメディアの数です」と驚きの表情を浮かべた。

 南英商工高1年時から代表入りし、3年間ずっとエースとして活躍。現在は文化大の2年生で、大学に籍を残したままプロ入りすることでも話題になった。勉学でも優秀な成績を残しており、今回のWBCでも20歳の若さで代表入り。1次ラウンドの韓国戦では1回2/3を1安打無失点に抑えるなど、まさに将来の台湾球界を背負って立つスターの卵だ。

 そんな男が縦じまに魅せられ、海を渡る決意をした。03年の阪神VSダイエー(現ソフトバンク)の日本シリーズをテレビ中継で観戦。台湾の英雄・王監督率いるダイエーではなく、ファンの熱気がすごい阪神にあこがれの気持ちを抱いた。「僕はタイガースのファンです。矢野さん、新井さん、金本さん、球児さん…」。選手名を挙げ始めると止まらない。ユニホームに袖を通すと、ハニかみながら喜び爆発させた。

 会見に同席した沼沢球団本部長は「彼の加入により、タイガースの投手陣は素晴らしいものになる」と入団を歓迎した。今後は13日に来日し、鳴尾浜の『虎風荘』での寮生活を開始する。WBCなどで実戦を積んでいるだけに、チーム合流後は教育リーグではなく、早めにオープン戦に登板させる見込みだ。

 『伝統の一戦』の存在も知る男は、今後の抱負を問われると、迷わずG斬りを約束した。「目標は開幕1軍。(特定の)打者というより、巨人と対戦して、球団の勝利に貢献したい」。目指せジャパニーズ・ドリーム。祖国の期待を一身に背負い、ジェンの挑戦が始まる。


【NPB】ジェンの父「自主性の強い子だった」

 阪神の新外国人、ジェン・カイウン投手(20)=鄭凱文、文化大2年=が12日、台北市内の高級ホテル「西華飯店」で入団会見を行った。

 会見には、ジェンの近親者も大勢集まった。公園国小、安順国中、南英商工、文化大とジェンを育てた関係者も集結し、盛大に門出を祝った。

 会見に同席した父・鄭春田さんと、母・王月桃さんは「非常にうれしいですね。みんなの期待に応えられるように頑張って欲しいと思う」とエール。父は息子の幼少期を振り返り「個性があり、頼ったりとかしない、自主性の強い子だった」と涙を浮かべて話した。

 南英商工野球部の陳献栄監督が言う。「学校の先生みんなが、ジェンを誇りに思っていますよ」。高校1年から代表入りするほどの実力の持ち主。同監督が最も印象に残っている試合は「彼が1年生のとき、決勝で150キロの直球を投げる投手と対戦した。その投手相手に、ジェンが投げ勝ったんです」と誇らしげに話した。

 会見後は記念撮影会に、ジェンを囲んでの食事会。みんな最後まで別れを惜しんでいた。


【2009/3/13 デイリースポーツ】
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