“松坂並み”入札金なら球団もOK

 日本代表が連覇を果たしたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でMVP級の活躍をみせ、一躍時の人となった楽天・岩隈久志投手(27)の今後はどうなるのか。岩隈は韓国との決勝戦で、勝利投手にこそならなかったものの、8回途中までわずか97球で2失点の好投。WBC4試合に登板し、3失点で、防御率1.35と大きく株を上げた。楽天の経営状況から、将来的なメジャー移籍の可能性もささやかれており、凱旋帰国する岩隈に大きな注目が集まることになりそうだ。

 MVPの松坂(レッドソックス)が「岩隈君に悪いと思いました」と話したように、キューバ戦(18日)、決勝戦と絶対に負けられない試合に先発し、チームを救ったのは岩隈だった。

 野村監督は「いい宣伝になったな。岩隈があんないい投球するなんて、知らなかったやろ」というように、これで知名度は全国区へと、一気にアップした。「彼にとってはいい経験をさせてもらったんじゃないの。ああいう大舞台で先発で出たことは。(球を)低めに集めてゴロに打ち取るというプレースタイルが確立できた。この大会でさらに確証を持ったんじゃないかな」と、さらに一皮むけたと喜んだ。

 その岩隈は「メジャー行きは考えていない」としているが、興味があることをほのめかしたことは何度かあり、野村監督も「(メジャー移籍を)言い出すかもしれないな」と心配している。

 岩隈は昨年21勝を挙げ、MVP、沢村賞などタイトルを総なめ。オフに年俸3億円の3年契約を結んだ。順調にいけば海外FA権を取得する2011年までは、楽天でプレーしなければならない。

 しかし、楽天の首脳陣は「今回のWBCで一番評価が上がったのは岩隈でしょう。始まる前はノーマークに近かったのに、今やダルビッシュよりも評価が高いのでは」と分析してみせる。

 松坂が西武からレッドソックスにポスティング制度で移籍した際の入札金は約60億円。岩隈がメジャー行きを希望し、松坂に匹敵するか、それと近い額が動けば、球団も3年契約を見直して、入札に応じる可能性があるともみている。

 楽天の球団経営はわずかに黒字だが、かなりの部分を切り詰めてのもので、決して楽な経営状況とはいえない。野村監督によると球団は「(楽天本社に)これだけ利益を上げましたと手柄にしたいタイプだから」というだけに、ポスティングで得られる高額は魅力だ。

【「中4日は厳しい」指摘も】

 ただ、楽天の首脳陣のなかには「(肩、ヒジに不安のある)岩隈はメジャーで中4日で投げるのは厳しい。ウチで中4日で投げたいと言い出したら、いよいよ本気なんだとなるけど。去年は手術明けのリハビリもあって、中6日で投げてたから」と現状ではメジャーのローテーションは難しいと指摘する声も。また、「岩隈を出すようになったら、いよいよウチの経営もヤバイな」と、不安をのぞかせる。

 岩隈は25日に帰国、27日にチームに合流する。野村監督はすでに岩隈の開幕投手(4月3日、日本ハム戦)を明言しているが、杉山投手コーチは「決勝に投げたんで、もう投げるチャンスがないんだよ。オープン戦の最後(29日の中日戦)に投げさせるわけにもいかないし」といい、中9日も空くことに不安げだ。

 それでも今季の岩隈の投球を見るために、楽天の試合にメジャーのスカウトが集結することは間違いない。球団の動きも含め、目が離せない。

【2009/3/25 ZAKZAK】
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