阪神の星野仙一シニアディレクター(59)が4日、甲子園球場で開幕した「マスターズ甲子園2006」に大会名誉会長として出席。ポスティングシステムでのメジャー移籍を訴えている井川慶投手(27)に対し、「タイガースの代表として行って来い!!」と容認発言を行った。宮崎恒彰オーナー(63)のご意見番の後押しにより、週明けにも球団内部の意見は一本化され、左腕エースの夢の扉が開く。





 猛虎のご意見番が初めて井川の背中を押した。かつては自らの指揮下に置き、エースに育て上げた“血縁”もある。機は熟した。本場で力を試して来い!! 星野SDによる、移籍容認発言にして決別宣言だ。

 「もう3年言ってきてるんだろ? まあ、いいんじゃないかなあ。オレはもともと反対じゃないし。『タイガースの代表として行って来い!!』という感じだよ。(最高入札額の)金額じゃ松坂に負けるだろうけど、実力では松坂に負けるな」

 卒業生を見送るごとき晴れやかな表情だった。この日、甲子園球場で開幕した「マスターズ甲子園2006」に大会名誉会長として出席。今オフ初めて井川問題について言及し、送り出す意思を表明した。同じポスティングで獲得資金が総額100億円に迫るといわれる西武・松坂の名前まで引き合いに出した。

 初めてメジャー移籍を直訴した04年オフは、時期尚早とたしなめた。翻って昨年は、宙に浮く存在を半ば突っぱねるように「行きたいと言ってきたら行かせればいいんじゃないかと(球団に)言っている」と発言。だが今回は歳月の重みと、ここまで残した実績から出たGOサインなのだ。

 このSD発言で、球団としての容認姿勢も決定的となった。交渉役の沼沢球団本部長は「ここまでの発言は初めて。びっくりしました」と話しながらも、6日にも宮崎オーナーを訪ねる方針を明かした。虎の総帥と星野SDはたびたび意見交換を行う間柄で衝突があるはずはない。球団内部の意見を一本化し、日米野球閉幕後の9日にも行われる第2回交渉の席で、正式に容認する流れだ。

 「こういうのはタイミングだからなあ。ファンや球団も行けっというのじゃないとね。でも、そのタイミングが来つつあるのは確か。まだ決まったわけじゃないけど、気持ちよく送り出してやればいいんじゃないの」

 メジャー左腕誕生へ、最大の追い風が吹いた。



★岡田監督もエール「ローテとれ」

 星野発言を伝え聞いた岡田監督は「去年も言うたけど、阪神の代表でな。ポスティングとかFAとかで、本当にメジャーに行けるような選手が、今までいなかったわけやから。嬉しい気持ち? それもあるよ。特に入団した時からずっと一緒やからな。行くとしたら、ローテをとって欲しい」とエールを送った。

 二軍で井川の入団時からを見てきた指揮官の“親心”。「(当時から)良かったからな。バラついていたが球に力があった」。当時を懐かしむような口ぶりでそう話すと、「日米野球は相当気合入っとるよ。ビシッと抑えるんちゃうか」とも。

 「毎年200イニングということは1年間の6分の1を一人で投げてるんや。すごい貢献度。痛いことは痛いけれど、それは他の者で補っていかなアカン」と、チームの底上げに決意を新たにしていた。



★ド軍とマ軍有力

 阪神球団が井川のポスティング手続きに踏み切った場合、複数球団が手を挙げるのは確実と見られている。中でも有力視されるのは、最高入札額が30億円を超えるとされる西武・松坂の入札を回避したドジャースとマリナーズ。両球団は日本人を獲得した実績もあり、資金力も豊富だ。そのほかの球団としては、阪神と業務提携を結んでいるブレーブス、メッツ、ロイヤルズなどが入札に参加する可能性がある。



★井川「ありがたい」

 この日の井川日米野球に参加している井川は、米メジャー挑戦を後押しする星野SDの発言を東京ドームで報道陣から伝え聞き「ありがたいですね。(ローテーションに)入れるようにね。ポスティングで(阪神を)出ることがあれば」と語った。試合前の練習ではダッシュを繰り返し、シーズン中と変わらない入念な調整。7日の第4戦(京セラドーム)先発に向けて、気合は十分だ。

【2006/11/6 サンスポ.COM】
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