【デトロイト=ジョン・ヒッキー】マリナーズのイチロー外野手(33)は9日、当地でのタイガース戦を4打数3安打2四球の荒稼ぎ。1回から4イニング連続で計4得点を挙げ、デビューから7年連続100(103)得点をマークした。「200安打-100得点-30盗塁」は通算7度目で、“球聖”タイ・カッブ(元タイガースなど)、8年連続200安打ウィリー・キーラー(元オリオールズなど)を抜くメジャー新記録を達成。チームは14-7で大勝して連敗を4で止め、プレーオフ進出の望みを首の皮一枚でつなげた。

 歴史的な生還シーンはあっさりとしていた。1回。右前打で出塁したイチローは4番ギーエンの二塁打で今季100得点目となる節目のホームを踏み、ナインのハイタッチに淡々と応えた。敵地のため史上初の7年連続「200安打-100得点-30盗塁」を祝福するアナウンスもなく、「まあ、ひとつが片づいたという感じでしょうか。まだ(残り試合が)20以上あった。切迫した感じはまったくなかったですね」と涼しげだった。

 希代の記録王はまるで歴史に埋もれた古記録をひもとく“考古学者”だ。262安打を記録した04年には20世紀初頭に活躍したジョージ・シスラー(元ブラウンズ)の名をよみがえらせ、今回も球聖カッブ、キーラーのメジャー記録を再発掘。「最近の僕がかかわる記録ってそういうのが多い。まあ、またかって感じだね」と、話した。

 自身が公言している100得点と200安打の個人目標を達成し、後はプレーオフ進出にいちるの望みを託すのみ。この日は1回から4イニング連続で生還し、4月15日以来通算6度目となる1試合4得点を挙げると、8回には今季22度目の“猛打賞”となる右前打で5試合ぶりの勝利に貢献した。

 「きょう負けたら死んだと思うけど、火が残っているというか、焼き肉をやりながらもうガスがない状態に近いけど、もう1回さしたらちょっと火が付いた。そんな感じ」。独特の言い回しでチームの“再点火”を祈り、10日からのホーム7連戦に最後の大勝負をかける。

【2007/9/11 中日スポーツ】
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