故障を恐れ…

 【スコッツデール(米アリゾナ州)11日=米沢秀明】日本代表・松坂大輔投手(28)が、強豪キューバとの対戦が濃厚な15日のWBC2次ラウンド初戦に、文字通りぶっつけ本番で先発することになった。

 7日の1次ラウンド韓国戦で先発した松坂は、WBC特有の投球制限ルールのため、WBC本部からの通告で、先発予定だった11日のジャイアンツとの練習試合登板にストップがかけられた。あわてた日本首脳陣は、急きょ、12日のカブス戦にスライド先発する計画を立てたが、今度は所属するレッドソックスから、「待った」がかかり、結局、米国での調整登板なしに、15日の大一番のマウンドに登らざるをえなくなったのだ。

 14-2とコールド勝ちした日本時間7日の韓国戦で65球を投じた松坂は、WBC特別ルールにより、次回登板まで中4日の休養が必要。それには練習試合も含まれるため、ジャイアンツ戦の先発をとりやめざるをえなかった。このため、12日のカブス戦で球数を減らして登板し、最終調整を行うはずだった。

 ところが、カブス戦に登板すると、中2日で15日の試合に登板することになる。そのハードスケジュールに、レッドソックスは首を縦に振らなかった。ある程度の球数を投げ込まないと調子が上がらない松坂。シーズン中も、レッドソックスは松坂の故障を恐れて、投球過多に目を光らせている。WBC前の練習にも、デニー友利・巡回コーチを派遣して、松坂の練習量をチェックする念の入れようだった。中2日の登板は、あまりに負担がかかり過ぎると判断した。

【2次初戦は“ぶっつけ本番”に】

 WBCの投球制限ルールと、レッドソックスからのストップが重なって、結局、松坂の最後の実戦練習の機会は失われた。もともとは、日本代表首脳陣が、松坂をルール上投げることのできないジャイアンツ戦に登板予定を組んだミスから、二転三転することになった。最初から、ぶっつけ本番と分かっていたら、松坂にも違う調整法はあったはずだ。

 この日、松坂はスコッツデールスタジアム脇の練習グラウンドでランニングのあと遠投。藤川を捕手代わりにしてキャッチボールをするなど、肩に負荷をかけながら調整。与田投手コーチに声を掛けられるまでキャッチボールを続け、マウンドに上がれない分を取り返そうとしているようだった。

 侍ジャパンのエース、松坂の調整に大きな影響を及ぼした日本代表首脳陣の不手際は、連覇へ向けての大きな不安材料に。怪物の右腕が、吹き飛ばしてくれるのを祈るしかない。

 ▼山田久志投手コーチ 「松坂はきょう(ジャイアンツ戦)投げたいという気持ちが強かったと思うが、中2日はボストン(レッドソックス)側が駄目ということだった。ちょっと松坂の調整が難しいものになってしまったが、それはそれでがんばってもらうしかない」

 ▼松坂大輔投手 「もう実戦はないです。登板間隔を変えるとほかの選手もかわってしまうので。ボクは気にしていないです。いつも通りやるだけです」


【2009/3/12 ZAKZAK】
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