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【ジュネーブ澤田克己】

4年に一度のサッカーの世界最高峰の大会の、しかも決勝という世界中が注目する中で起きた前代未聞の騒動は20日、「けんか両成敗」の形で決着した。原因はマテラッツィのジダンに対する侮辱に基づくものと認定し、一部で憶測が流れた人種差別に関する発言はなかったと判断した。

同日、スイス・チューリヒにある国際サッカー連盟(FIFA)本部で開かれた規律委員会で、ジダンからの聴取後、処分が発表された。ワールドカップ(W杯)ドイツ大会決勝で頭突きによって退場処分を受けたフランスのジダンは、暴力行為を重視し、罰金に加え、現役を引退したため3日間の社会奉仕活動、イタリアのマテラッツィには、侮辱発言があったとして2試合の出場停止処分と罰金を科した。

W杯決勝後、一部メディアが原因として、マテラッツィがジダンを「テロリスト」呼ばわりしたと伝えるなど、アルジェリア系移民を両親に持つジダンへの人種差別の意識が背景にあるのではとの憶測もあった。

人種差別はなかったとの判断となったが、欧州各国では移民労働者の大量流入により失業者の増加や所得格差の拡大が深刻化。併せてアフリカ系サッカー選手への人種差別で不満を解消しようとする動きが社会問題となっている現状は依然として変わらない。人種差別行為の徹底した撲滅とともに、競技場から「言葉の暴力」をどう排除していくか。2010年南アフリカ大会に向け、サッカー界に課題を残した。

【2006/7/21 毎日新聞】
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