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 今季限りでの現役引退を表明した女子テニスの杉山愛(34)=フリー=が11日、米国から帰国し、千葉県成田市内のホテルで会見した。8月に引退を決意したという杉山は「納得できるパフォーマンスをするために厳しいトレーニングを続けていくことが、体力的にも、気持ち的にも無理だと感じた。テニスは今でも大好きなので、今後も携わりたい」と語った。

 4大大会シングルスで男女を通じて世界最多の62大会連続出場を果たした杉山は、思い出の試合に「夢の舞台だったウィンブルドンのセンターコートで、(元世界ランク1位の)ヒンギス選手を3回戦で破った(06年の)試合」を挙げた。

 冒頭から笑顔でハキハキと答えた杉山だが、会見に同席した前コーチの母芙沙子さんが思い出話を語り出すと、涙があふれた。芙沙子さんから「頑張ってきたし、もう頑張らなくていいよ」と声を掛けられると、感慨深げにうなずいた。

 現役最後の大会は、27日開幕の東レ・パンパシフィックオープン(東京・有明テニスの森公園)。杉山は「東レまでは、どっぷり選手。その後はテニスだけではなく、スポーツを通じて多くの方に恩返しをしたい」と意欲を見せた。【井沢真】


【2009/9/11 毎日新聞】


【網球】杉山愛「感謝の気持ち」 引退表明で一問一答

 テニスの四大大会女子ダブルスで3度優勝するなど日本女子の第一人者として活躍し、9日に現役引退を表明した杉山愛(34)=フリー=が11日、全米オープンから帰国して開いた記者会見で、改めて今季限りの現役引退を表明した。厳しいツアー生活の思い出、引退のきっかけなどについても語った。一問一答は次のとおり。

 杉山「9月27日の東レ・パンパシフィック・オープンを最後に現役引退することにしました。今までチーム愛のスタッフ、家族、ファンに支えてもらってここまでやってこられて幸せ。感謝の気持ちでいっぱい。これまでかけがえのないたくさんのものをいただいた。これからは、スポーツを通じて多くの方に恩返しができたらいいと思います」

 --いつごろ引退を決断したのか

 杉山「今年の夏、納得いくパフォーマンスをするために追い込んだ練習をしていて、これができればいいテニスはできるが、これをこの先も続けていく自信はないな、と思った。続けるのは体力的にも精神的にも無理かなと思って決めました」

 --一番の思い出は

 杉山「一つに絞るのは難しいですけど、ウィンブルドンのセンターコートで(元世界ランク1位の)ヒンギスを破った試合は印象に残っている。(元世界女王の)グラフを破ったことは自信になったし、四大大会のダブルスでタイトルを取った試合もグッとくる」

 --忘れられない出来事は

 杉山「ツアーを回って、世界中に心から通じ合える友達がいるのは宝物だと思う。母親になった人もいるし今でも連絡を取り合っている」

 --お母さんから見てどんな選手だったか

 母・芙沙子さん「常に進化し続け、研究し、常に向上したいと思う選手だった。2000年に、(杉山から)もう私できない、といわれて、ママをコーチとしてやりたいといわれて、2004年にトップ10に入った。2人でやってきてすごくよかったと思います。頑張ってきたし、もう頑張らなくていいよ、といって抱きしめてあげたい」

 --お母さんの言葉については

 杉山「自分で話していると感じなかったが、母の言葉を聞いて悲しくなってしまいました…。どん底から引っ張り上げてくれて、トップ10までガイドしてくれたのが母。いなかったらトップ10はなかった。感謝の気持ちでいっぱい」

 --今後は

 杉山「ジュニアの育成など後進の指導もしたいし、テニスの素晴らしさを多くの人に知ってはしい。スポーツを通じて多くの人に恩返しできたらいいと思う」

 --長く現役を続けられた要因は

 杉山「テニスへの思い、情熱が一番にある。あとは大きなけがをしない丈夫な体に生んでくれた両親に感謝したい。トレーニングも技術も、少しでもいいプレーを目指してやってきた」

 芙沙子さん「身近でみていて年齢を重ねるごとにメンテナンスの時間が長くなっていた。テニスやっている以外は、トレーニングかメンテナンスがほとんどだった」

 --世界中を回ってきて好きな場所は

 杉山「やっぱり(四大大会といわれる)グランドスラムは特別な大会。その中でもウィンブルドンのセンターコートは、どんな大会よりも魅力的な場所でした」

 --17年間大切にしてきたものは

 杉山「ツアーは長いし大会が続く。メリハリのある生活が必要で、タフな毎日だからこそ楽しみもないといけない。(余暇を含めて)どうやって楽しめるかを大切にしてきました」

 --いまの率直な気持ちは悲しい? 寂しい? 楽しい?

 杉山「複雑な感じです。4歳からテニスを始めて30年もやってきた。テニスどっぷりの生活で、テニスできないのが想像できない。寂しさ、悲しさもあるが、これからへの楽しみもある。日本に長くいられることが全然なかったので、日本に長くいられる生活を楽しみたい。一つ試合があるので、まだ選手な気分。試合が終わったらまた話をさせてください」



【2009/9/11 産経新聞】
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