【6月9日】2005年(平17) 

 【ソフトバンク7―4広島】また当たってしまった。ソフトバンク6回戦(広島市民)の7回、広島・末永真史外野手の代打の代打で登場した、松本奉文内野手はペドロ・フェリシアーノ投手から左上腕部に死球を受けた。

 8回の守備からショートに入った松本。9回1死一塁で2回目の打席が回ってくると、今度は三瀬幸司投手のストレートが左足を直撃した。打席に崩れ落ち、左腕を地面につき、顔をしかめて痛みをこらえる背番号35。2打席連続、しかも途中出場での連続死球という珍しい記録となった。

 腕の次は足と、まったく“災難”続き。「最初のは“きたっ”って感じ。2度目は予想外。痛かった。ここまで当てられ続けると、何かあるのかなって思っちゃいます」と松本。実は、プロ6年目の内野手の“死球ストーリー”、この日に限ったことではなかった。

 前日6月8日、同じソフトバンク相手に7回、代打で登場した松本は斉藤和巳投手に当てられた。2日連続3打席連続死球とまさに“大当たり”だった。

 松本は4月26日に1軍登録を外れ、6月4日に昇格するまでファーム暮らし。6月8日の打席が1軍復帰後、最初の打席だった。4月21日の中日5回戦(広島)でも高橋聡文投手からデッドボールを受け、これで出場した4打席連続死球という珍記録となった。

 プロ野球史上の連続死球の記録は不明だが、恐らく4打席は過去に例がないはず。こうなるとどこまで当てられ続けるのか興味がわくところだが、10日の楽天4回戦では代打出場も玉木重雄投手に遊ゴロに仕留められ、5打席続けてはならなかった。

 「打って出塁したいんで、もう当てられるのは勘弁。アウトになったけどバットを振れて良かった」となんとも複雑なコメントを残した。99年ドラフト7位で亜細亜大から入団した松本はこの珍記録をマークした05年を最後に6年の現役生活を終えた。通算17安打1本塁打に対し、生涯の死球数は7個でうち6個がプロ最終年に集中した。

 広島の大先輩・衣笠祥雄三塁手も76年8月31日の中日16回戦(ナゴヤ)の3回に1イニング2死球というプロ野球初の記録を残したが、その怒りをバットにぶつけるように、5回に回ってきた打席で金井正幸投手から16号2点本塁打を左翼スタンドに叩き込んだ。

 死球を怖がり、内角の球にはしぱらく腰が引けるものだが、臆することなく一発を浴びせた。通算161死球というセ・リーグ記録保持者は、それでも連続試合出場記録を作り、通算504本塁打を放ったのもうなずけるわけである。

【2011/6/9 スポニチ】
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