マリナーズのイチロー外野手(35)が25日のブルージェイズ戦後、古巣オリックスの元監督で25日に膵臓(すいぞう)がんで亡くなった土井正三氏に哀悼の意を表すとともに、一部で伝わる「誤解」を否定した。92、93年と指揮官と選手の関係だったが、94年に大ブレークしたことで「才能を見いだせなかった」との印象が付いた土井氏に、「そうじゃないのにね…」と静かに振り返った。

 土井氏がオリックスの監督を務めていた93年まで、「鈴木一朗」には試合経験を積ませようと、主に2軍でプレーさせた。同年末に仰木彬氏が新監督となり、94年には登録名「イチロー」で日本プロ野球記録の210安打を放った。その後は15年以上、日米で大活躍。その経緯もあり、巨人のV9に大きく貢献した名内野手だった土井氏に、「イチローという才能を見いだせなかった」とのイメージが付きまとうことになった。しかし、当事者の大リーガーはこの見方を否定した。

 「そうじゃないのにねえ…」

 淡々と、そして残念そうに話し、改めて感謝の気持ちを短い言葉で示した。

 土井氏はイチローの実力を評価しなかったわけではなかった。1年目の7月には1軍昇格させ、2年目には開幕戦で先発メンバーに名前を書き込んでいた。2軍降格は経験を積ませるための試練だと指揮官は信じていたのだった。

 91年ドラフト4位でオリックスに入団した安打製造機とは、93年まで監督と選手という間柄だっただけに、土井氏の訃報(ふほう)は米国でプレーするイチローの耳にもすぐに届いた。

 「いろんな人からメールや電話がありました。相当(病状が)悪いと聞いていたけど、一度は回復されたとも聞いていたので良かったと思っていたんですが…。ただ覚悟はしていました」

 最近は直接的な交流こそなかったが、土井氏はメジャーでプレーするイチローの様子を温かく見守っていたという。

 「(僕のことを)気にしてくれていると聞いていたので、(9年連続)200本のことなどを知っていてくださったらうれしい。ご冥福をお祈りします」

 メジャー史上初の9年連続200安打は、同氏が亡くなる11日前に達成された。


【2009/9/27 スポーツ報知】
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