◆西武6―3横浜(16日・インボイス西武)

西武・松坂大輔投手(25)が横浜戦で3失点完投勝利。ハーラー単独トップの9勝目、通算100勝目を挙げた。191試合での達成は“昭和の怪物”江川卓(元巨人)を抜き、ドラフト制導入後、最速記録となった。また“平成の怪物”はこの日12三振を奪い、41度目の2ケタ奪三振を記録。歴代単独6位となった。パ・リーグを、球界を代表する右腕にとって、記録ずくめの一日となった。

鍛え抜かれた右腕がムチのようにしなる。9回、2死。カウント2―3。141キロのカットボールが女房役・細川のミットに収まった。と、同時に、バックスクリーンに勝利の花火が爆音とともに打ち上がる。電光掲示板には「通算100勝、おめでとう」の文字が躍った。マウンド上の松坂はホッとした表情を見せ、笑顔でナインと握手した。

191試合での100勝達成。江川卓(元巨人)の193試合を抜く、ドラフト制導入後のスピード記録だ。「江川さんより早いのはうれしい」“平成の怪物”が高校時代から常に比較されてきた“昭和の怪物”を超えた瞬間だ。最後の打者は横浜高の先輩・鈴木。この日、12個目の三振を奪い、今季6度目、歴代単独6位となる通算41度目の2ケタ奪三振もマークした。

「今日は今季2番目くらいに調子が悪かった」と言う。それでも8回まで2安打1失点。9回、味方の失策で気持ちが切れたのか、金城に1発を浴びたが、荒木投手コーチは「力みが抜けて、新しい自分をマウンドでつかみつつある感じ」と称賛した。

「バッターを見下ろして投げる、っていうことだけは、入団当初と変わりません」怪物は初心を忘れないよう心掛けていた。2002年、右ひじに違和感を覚え、シーズン途中、5月29日を最後に1軍を去った。「自分の体を見つめ直せた。それがあったから今があると思う」150キロの剛速球を投げられる強じんな肉体を、2軍でもう一度、つくり上げた。8月4日に戦列復帰。そこから100勝まで突き進んできた。支えは家族だった。一昨年の結婚、そして、昨年の長女誕生で「家庭を守る」という強い意識が芽生えた。「僕の力の源。帰って子供の顔を見ると、頑張れる気がする」こう話した。

ハーラー単独トップの9勝目。防御率(2・0693)、奪三振(103個)もトップとなった。「100勝を特別に意識したことはない」松坂はこう言った。節目の勝利もあくまで通過点。目標は優勝、そして日本一だ。

【2007/6/17 スポーツ報知】
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