close
 阪神の1軍キャンプ参加メンバー20人による合同自主トレが27日、キャンプ地の沖縄・宜野座球場でスタートした。その中でもWBC台湾代表の一次候補に選ばれている林威助外野手(30)が、フリー打撃で34スイング中12本のサク越えを披露するなど、右翼のレギュラー奪取へ猛アピール。右肩、左ひざの故障を乗り越えた不屈の大砲に、本来の輝きが戻ってきた。

  ◇  ◇

 ケガへの恐怖心を沖縄の穏やかな日差しがかき消した。林のフルスイングに弾(はじ)かれた白球は、澄んだ青空に吸い込まれ、右翼フェンスを軽々と飛び越えていった。昨年、右肩手術のリハビリで「何もできなかった」という春季キャンプ。球春の到来を目前にして、未完の大砲が完全復活だ。

 圧巻のフリー打撃に周囲の選手、スタッフ、誰もが目を見張った。「屋外でのフリー打撃は日本に来て初めて。気持ち良かった」と、いきなり開始3スイング目に、右中間スタンドへ“宜野座1号”を放り込んだ。すると立て続けに右翼ポール際、右翼席へあいさつ代わりの3連発。もちろん大砲の独壇場はこれで終わらなかった。

 その後も快音を響かせ、後半にも再び3連発を放つなど、34スイングで12本のサク越え。本人は「風が吹いてたんですよ」と笑ったが、すべてのボールに対し、フルスイングできる仕上がりの早さは他の選手と比較にならなかった。さらに一冬を越して、その体は別次元のパワーを兼ね備えていた。

 今オフ、林は昨季からチームに導入されていたメジャー選手仕様のバットリングを先端に装着して、スイングを重ねている。その重量は約700グラムで、910グラムのバットと合わせると実に約1・6キロ。「去年からチームにあったので使ってみた。特別な意識はないです」と平然と言ってのけたが、常人なら振ることもままならない“超重量バット”を黙々と振り込んだことで、飛距離が飛躍的にアップした。

 さらに昨年7月に痛めた左ひざの不安もなくなり「下半身がしっかり使えるようになった。今は左足にしっかりと体重を乗せることを意識している」。ケガに対する恐怖心が消え、たゆまぬ努力で未曾有のパワーを手に入れた。「最終的にはクリーンアップを打ちたい」と誓った今季の決意が、ブラフではないことをキャンプ地・宜野座で証明した。

 初日にもかかわらず大和らと最後まで球場に残り、トレーニングに励んだ林。「練習ができないとプロ野球選手じゃない」と言い切るその姿は、誰よりも、何よりも、頼もしかった。

【2009/1/28 デイリースポーツ】
arrow
arrow
    全站熱搜

    ht31sho 發表在 痞客邦 留言(0) 人氣()