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問われる将の器


 WBC連覇を狙う侍ジャパンは、9日の韓国との再戦に0-1で敗れ、2006年の前回大会と同じ1次ラウンド2位で、2次ラウンド(米サンディエゴ)に進んだ。1点が奪えなかった原辰徳監督(50)の采配には、他組の米国メディアからも疑問の声が…。さらなる厳しい戦いが待っている2次ラウンド。接戦での弱さを露呈した原監督で、ホントに大丈夫なの?!

 4-0で勝った5日の中国戦、14-2でコールド勝ちした7日の韓国戦と采配の見せどころもないまま迎えた9日の韓国とのリターンマッチ。順風満帆に見えた侍ジャパンは、韓国投手陣の前に沈黙。原監督の采配はまったくの無力だった。

 「14点取った後の試合で0点。これが野球。相手投手にいいところに投げられたら、そうは打つことはできないということです」

 国際舞台が初めての原監督。初めて味わったしびれるような接戦で、改めてその采配に、疑問が浮かび上がってきた。


【なぜ送りバント?】

 「走者はイチローだし、盗塁を狙う選択肢はなかったのか?」

 惜敗した試合後の会見場。1点を追う8回1死一塁の場面で、2番中島に送りバントを命じた原監督の采配に、疑問を投げかけたのは、何と米国メディアの記者だった。米国はC組に属し、日本とは少なくとも準決勝まで当たらない。“外野席”からも、奇異に映った作戦だったのだ。走者は快足のイチロー。投手は右サイドハンドの林昌勇(ヤクルト)。盗塁、エンドランなど、いろいろな作戦が考えられる。その中で、原監督は中島に初球からきっちりバントの構えをさせ、その通り2球目でイチローを二塁に進めた。原監督はこう答えた。

 「あの場面ではいろんなことが考えられる。1ウエー、2ウエー、3ウエーという(複数の作戦が選べるという)部分の中で、結果的に1ストライクからバントという選択をしたということです」。結果的に2死二塁から3番青木が投ゴロに倒れ、最後のチャンスをつぶすことになった。球界屈指の走者イチローを生かし切れない采配。指揮官の国際舞台での経験不足や勝負勘が問われる敗戦でもあった。


【メジャーリーガーへの遠慮】

 各選手の調子を見極めた上での先発オーダーの再編も求められている。特に9打数無安打と不調を極めているのが9番岩村だ。原監督は二塁岩村を早い時期から固定したが、復調の兆しはみえていない。

 「チームのためにできることをやりたい。四球でもなんでも」と意欲的な岩村だが、原監督が2次ラウンドでどんな決断を下すか。9日には同じく不調の小笠原を先発から外す決断をしているが、大リーガー優先を標榜して、代表選手を招集。岩村の二塁先発出場を確約している形になっていることが足かせになっている。

【左打者に偏り過ぎのメンバー構成】

 さらに、代表最終メンバー選考から指摘されてきた打線の左打者偏重の影響もボディーブローのように効き始めている。外野守備固めに亀井、内野守備固めに川崎(ともに左打者)を入れたため、内川が先発出場した場合、ベンチには好機に代打として出場できる右打者は、捕手の石原、内野手の片岡しかいない。韓国戦のように、接戦で左投手が出てくると、人材難が顕著となる。

 一方、韓国のベンチワークはさえていた。伊東総合コーチは敗戦後、「当たっている村田に対して、韓国はあえて高めに投げさせた。苦手なコースと分析された」と警戒する。韓国には1戦目はコールド勝ちしたものの、終わってみれば1勝1敗で1次ラウンド1位の座とともに、優勝賞金30万ドル(約2940万円)まで奪い取られた。

 これで、2次ラウンドの初戦は強豪キューバとなることが濃厚だ。優勝候補のキューバは、B組初戦の南アフリカ戦で大会新の6本塁打を放つなど打線は脅威だ。たった1点が取れなかった原采配のツケは、米国に乗り込んだ侍たちの肩に重くのしかかってくる。

■第2R説明

 WBCの第2ラウンドは、第1ラウンドを勝ち抜いたA~D組各2チーム、計8チームで争われる。韓国・日本のA組はB組と第1組(米サンディエゴ)に入り、第1ラウンド同様、2度負けた時点で敗退する変則トーナメントのダブルエリミネーション方式で準決勝に進出する上位2チームを決める。

 A組2位となった日本の初戦の相手はB組1位チーム。前回大会の決勝で破ったキューバが濃厚で、日本時間16日午前5時プレーボール。


【2009/3/10 ZAKZAK】
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