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【ウィンブルドン(英国)山科武司】

テニスの4大大会今季第3戦、ウィンブルドン選手権最終日の9日、ロンドン郊外のオールイングランド・クラブで男子シングルス決勝が行われた。今年の全仏オープンと同じ顔合わせとなった一戦は、第1シードのロジャー・フェデラー(スイス)が、6-0、7-6、6-7、6-3で全仏2連覇の第2シード、ラファエル・ナダル(スペイン)を降し、史上7人目の4連覇を達成した。賞金は65万5000ポンド(約1億4100万円)。フェデラーは、芝コートで、48連勝となった。

フェデラーは第1セットを全くすきのない攻めで先取し、第2セットはタイブレークで奪った。第3セットはナダルの粘りに押されて今大会初めてセットを落としたが、第4セットは安定感のあるプレーでナダルを振り切った。

◇「素晴らしいことだ」…フェデラー

ナダルの球がラインを越えたことを確認すると、フェデラーは両手を大きく上げた。大会史上7人目の4連覇。「できるとは思っていなかった。素晴らしいことだ」。昨年までの涙ではなく、会心の笑みを見せた。

02年のウィンブルドン1回戦で敗れて以来、この決勝戦まで芝で負けなしの47連勝。自他ともに認める「芝の王者」だ。しかし、世界ランク2位、20歳のナダルには1勝6敗と負け越し、4週間前の全仏決勝で敗れるなど、ここまで5連敗中。24歳の世界ランク1位は「もしここで負ければ、かなりのダメージだったろう。どれだけ重要な試合かは分かっていた」という。

芝を知り尽くした男は強かった。芝は、他のコートより球がバウンドしないため打点が低い。フェデラーは、時にスライスを交えながら低めに球を集め、打ちごろの球を返さなかった。「スライスは、球を深く打ち返させないため」とフェデラーは解説した。

「試合のポイント」と振り返った第2セット第10ゲーム。1ゲームをブレークされていたフェデラーは、0-15から低めに球を集めて4ポイントを連取し、ブレークバック。結局、タイブレークの末競り勝って、第1セットに続いて連取した。第3セットを落とし、76年のボルグ以来の全試合ストレート勝ちこそならなかったが、「3セット失わない限りはOKだよ」と余裕をみせた。

「偉大な選手たちと並べてうれしい。5連覇を目指したい」と語ったフェデラー。
会見では「まずは休んでから」とほっとした様子で笑った。

○…勝てば80年のボルグ以来となる全仏、ウィンブルドン連続優勝だったが、老練なフェデラーの前に及ばなかった。ナダルは「彼のサーブがどこから出てくるか見えなかった。サーブの角度をさまざまに変えていた」と多彩な技に脱帽した。

しかし、今大会で初めてフェデラーから1セットを奪い、「良いテニスができた」と納得した様子。苦手としていた芝で躍進し、「今年、僕は芝でもうまくなった。フォアハンドを強化し、もっとうまくなりたい。いつか芝でも勝ちたい」と、どん欲だった。

【2006/7/10 毎日新聞】
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