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 【ニューヨーク=本間普喜】ヤンキース・井川慶投手が18日、ヤンキースタジアムでのインディアンス戦に先発し、6回を5安打2失点の好投。先発3度目にしてメジャー初勝利を挙げた。打線もAロッドに9号2ランが飛び出すなど、終わってみれば9-2の完勝。ヤンキースは前日のライトに続き2連勝で、貯金を「1」とした。

 この日のニューヨーク各紙は、前日好投を演じた24歳の若手左腕、チェース・ライトを絶賛する記事で埋まった。5回3失点、打線の大量援護があったとはいえ、ライトは2Aトレントンから昇格して、見事に結果を出した。

 同じ左腕として、井川も負けるわけにはいかない。もし、ライト以下のピッチングなら、「井川は2A以下…」との烙印(らくいん)を押されることにもなりかねないのだ。

 前々回は変化球のストライクが入らず、直球を狙い打ちされたが、その課題も克服。この日はストライク先行で、テンポよくインディアンス打線を翻弄(ほんろう)した。

 初回、先頭のサイズモアを三邪飛、2番マイケルズを二飛に打ち取り、簡単に2アウト。3番ハフナーも力のないフライだったが、中前へポトリ。中堅デーモンが果敢にダイビングキャッチを試みたが及ばず、ヒットとなった。だが、続く4番ガーコは、79マイル(127キロ)のチェンジアップで空振り三振。まずは無難な立ち上がりを見せた。

 その裏、ヤンキースはデーモン四球、ジーターの左越え二塁打、アブレイユの中犠飛で1点を先制した。

 打線の援護を得た井川は2回を三者凡退に抑えたが、3回につかまった。先頭のバーフィールドから三振を奪った後、ショパッチに右翼線への二塁打。さらに、サイズモアに対しては死球。続くマイケルズに中前打を打たれ、1点を失った。続くハフナーはショートへの内野安打でさらに1点。だが、4番ガーコを4-6-3のダブルプレーに仕留めた。

 2点を失ったものの、井川に動揺はなく、落ち着いたピッチング。この好投に応えるように、ヤンキース打線が3回に爆発。先頭ジーターが左翼線二塁打で出塁後、アブレイユの中前適時打で同点にし、ジアンビの右翼線二塁打で勝ち越しに成功。さらにポサダ内野安打、カノとフェルプスの連打で2点。2死後、デーモンの右前打でこの回5点目。打者一巡の猛攻でインディアンス先発のソワーズをKOした。

 ヤンキース打線は6回にもAロッドの9号2ラン、ジアンビの3号ソロで3点を追加。井川は4、5、6回を無失点に抑え、92球で降板した。

 ヤンキースはプロクター-ヘン-ブリトンとつなぎ、9-2で完勝。ついに、井川がメジャー初勝利を挙げた。

 「一応、ゲームが作れて、チームが勝ててよかったです。みんなからは“おめでとう”と言われました。まずはストライク先行で自分のペースをつかもうかなと思ってマウンドに上がりました。ストライクが先行できたんで自分のペースに引き込めたかなと思います。最低限のラインですけど、何とか自分のピッチングができました」と、井川はホッとした表情。

 トーリ監督も、「これ以上のピッチングはないだろう。われわれは3人(王、パバーノ、ムッシーナ)もローテーション投手を失っているんだ。そんな中で彼は自分の責任を全うしてくれた。直球のスピードを変えていて、打者のタイミングを取りづらくしていた。ボールも動いていて、チェンジアップも良かった」と絶賛した。

 先発投手陣崩壊の危機にあったヤンキースもこれで一息。井川は首脳陣の信頼を勝ち得ただけでなく、ニューヨークのファンにもその雄姿をしっかりと焼き付けた。

【2007/4/19 ZAKZAK】
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