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【シアトル=ジョン・ヒッキー】マリナーズのイチロー外野手(33)は24日、当地のレッズ戦で今季37度目のマルチ安打となる2安打を放ち、連続試合安打を19とした。ピート・ローズが持つ通算7度の「20試合以上連続安打」の近代メジャー記録に王手。また、この日の2本塁打で通算584号とし、マーク・マグワイアを抜き、メジャー歴代7位に浮上したレッズのケン・グリフィー外野手(37)に、マリナーズ復帰の“ラブコール”を送った。試合はマリナーズが3-2で逆転勝ち。城島健司捕手(31)は休養した。

■唯一あこがれの存在
 美しい放物線に、イチローは思わず見とれた。グリフィーの打球が快音を残し、右翼1、2階の境目の看板を直撃する。初回の先制583号ソロに続く5回の2本目は、メジャー歴代単独7位に浮上する一発。かつてマリナーズを引っ張った男に、惜しみない拍手と歓声が送られた。

 メジャーで唯一あこがれの存在というスーパースターとの3連戦。2発を中堅から見守ったイチローは「もしグリフィーがシアトルに戻ってくるというなら、喜んでセンターのポジションを彼に譲るよ」と復帰の“ラブコール”を送った。

 中堅グリフィー、右翼イチロー。夢の右中間だ。ただ、グリフィーは来季までレッズとの契約が残り、09年はチーム側のオプション。イチロー自らは今オフにFAとなる。今すぐに実現する話ではなく、イチロー自身がマリナーズに残るかどうかすら分からないが、“一緒にプレーしたい”という気持ちにウソはつけない。99年までマリナーズの中堅手としてゴールドグラブ賞を10年連続受賞した大先輩。“その日”が来るのならば、かつてのポジションを譲りたくなるのも自然なのだろう。

■ローズの記録に王手
 この日の2安打で19試合連続安打で、近代メジャー記録となる通算7度目の20試合連続安打に王手をかけた。走塁でも、守備でも、試合の流れを引き寄せる仕事をした。この日ばかりは、それも「付け足し」だ。

 この3連戦は、ナ・リーグ最低勝率チームのレッズ相手に満員札止めだった。「1人でこれだけ集められるというのは、スーパースターだよねえ。実力以外の何かがある。華があるでしょ、実際」。去就が注目されるイチローにとって、大きく心が動いた3日間になったかもしれない。 (シアトルポスト・インテリジェンサー紙記者)

【2007/6/26 中日スポーツ】
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