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 第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の1次ラウンドが5日、東京ドームで開幕し、連覇を目指す日本代表は中国と対戦する。強化試合で結果を出せなかったイチロー外野手(35)の打順は1番に決定。打撃不振に陥った天才打者は、切り込み隊長として本来の実力を見せつける。4日は4チームによる公式練習が東京ドームで行われた。

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 思い描くだけで鼓動が速くなり、体が熱くなる。3年前の感動と興奮が今よみがえる。いよいよ始まる“世界最強国決定戦”。本番を目前にしたイチローは「いやぁ、ぼく、だいぶ前から緊張してますよ。ずっと緊張した状態が続いてます」とおどけたが、目は笑っていない。

 この日の全体練習では、いつものように1人だけグラブを持ってフィールドに現れた。体をほぐした後にキャッチボールを行った。その後のフリー打撃では34スイング。感覚を確かめながらバットを振り続けた。

 強化試合には全6試合に出場し、23打数3安打、打率・130。最初の5試合は「3番」に、最後の試合は「1番」に座ったが、打順を変えても打撃感覚を取り戻すことはできなかった。

 1番か3番か。注目されたイチローの打順は結局「1番」だった。メジャーでは1年目から8年間、慣れ親しんだ場所。原監督は「イチローは侍ジャパンのリーダー。チームの強さを増すという意味ではイチローが中心になって結果を出すのが侍ジャパンの理想の形だと思っている」と大きな期待を寄せた。

 3年前の第1回大会。日本の圧倒的な力を見せつけたいとの思いを込めたイチローの“30年発言”が波紋を広げた。しかし、この日は「(力の差を)見せたいけどねぇ、なかなか150試合もあるシーズンとは違うので、極端な実力差がない限りは難しいのではないですか」と“トーンダウン”。アジア各国の実力差が小さくなっていることを実感してのことだが、相手の力を素直に認められるのは冷静な証拠でもある。

 目標はもちろん連覇。「奪いに行くという姿勢が軸になる。ゲームをやっていかないと分からないが、最初の段階としてそういう気持ちで挑んでいく」。2日前に都内のレストランで行われた野手全員による“決起集会”に出席。選手たちが世代を超えて同じ方向に向いていることを改めて実感した。

 「アジア(1次)ラウンドで勝たないと次には行けないので、近い目標をクリアしていきたい」。イチローが本来の姿を取り戻し、侍ジャパンを引っ張る。



【2009/3/5 デイリースポーツ】
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