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裏金問題 清水勝仁選手、良心の呵責に耐えきれず…



 西武に新たな“隠蔽工作”が明らかになった。早稲田大学は15日、都内の同大大隈会館で記者会見し、同大野球部3年の清水勝仁選手(21)が西武から将来の入団を前提に総額1000万円あまりの裏金を受け取っていたことを認めた。さらに、西武が今月9日に裏金の供与を公表した前後に、同選手側に「清水自身はお金のことを知らなかったことにしてくれ」と事態隠蔽を指示し、その後、清水選手が良心の呵責から大学側に事実を告白していたことが明らかになった。



 会見ではまず、田山輝明副総長、早大調査委員会委員長の村岡功理事が調査結果を公表。その後、川口浩野球部長、応武篤良監督、これまで実名を伏せられてきた清水本人が加わって質疑応答が行われた。



 それによると、清水は専大北上高校3年だった03年秋、旧知の西武関係者に誘われ、埼玉県所沢市の西武球団の練習場で、事実上の入団テストを受け、その後ドラフト会議で指名する方針を告げられた。清水は早大進学を希望していたが、「親孝行したい気持ちもあって」プロ入りに方向転換した。



 ところがその後、東京・池袋のホテルに呼び出され、西武関係者から、高校時代の指導者同席のもとで、「やはり早稲田に進学しなさい。卒業時に西武が指名する。学費などは西武が面倒をみる。支払った分は西武入団時に契約金から差し引く」との申し出を受け、“誓約書”にサインした。



 裏金は月額で生活費10万円、学費10万円の計20万円。清水本人と父親の記憶に若干差異があるが、総額は「報道(1000万円あまり)に匹敵する額と思われる」(調査委)。清水は早大在学中たびたび西武関係者と会い、「飲食店で食事をしながらお金をもらっていました」(清水)という。裏金は直接手渡しと銀行振り込みの両方のケースがあった。



 西武が清水側に渡した金額には、プロ球界が裏金根絶のため05年6月に「倫理行動宣言」を発表した後、“手切れ金”の形で支払われた500万円も含まれている。



 この会見で新たに発覚した問題がある。今月9日、西武は太田秀和球団社長が緊急会見を開き、裏金の供与を公表したのだが、これに前後して西武関係者が清水本人に電話で「ばれてしまった。清水本人はお金のことは何も知らなかったことにしてくれ」と伝え、口裏を合わせたというのだ。「親や高校の指導者にも同じことを言われた」(清水)。



 しかし、清水はその後、「自分のことを助けてくれようとしている人たちにウソをつくことに耐えられなかった」と、父親、西武関係者、高校時代の指導者に告げた上で、13日になって早大側に事実を告白したという。



 清水の父親は裏金発覚当初、マスコミに「息子は全く事情を知らなかった。奨学金として受け取っていた。子供がかわいそう。西武に怒りを感じる」などと話していた。



 早大側は西武に対し、詳しい情報提供を求めたが回答を断られたという。また、早大側の関与は確認できず、応武監督も知らなかったとしている。



 同大は清水の野球部退部を発表、今後早急に、応武監督、川口部長らの処分を発表する





「西武に従うしかなかった」早大・清水選手一問一答





 100人の報道陣が待つ中、会見場に現れた清水選手は黒の学生服姿。終始無表情でゆっくり言葉を選び、ときおり言葉をつまらせながら質問に答えた。一問一答は以下の通り。



 --いつから西武の関係者と接触を持ったか



 中学校のクラブチームのころから、家族ぐるみで仲良くしていた。ただ、そのときは野球についてアドバイスをもらうくらいだった。高校3年で初めて所沢の球場で本格的に(関係者に)野球を見てもらった。大学に入学してすぐの4月から金銭を受け取っていた。



 --資金提供の申し出があったとき、お金をもらったときの心境は



 高校で(覚書に)サインしたときは、契約金で返すという話だったので、それほど深くは考えていなかった。大学でもらっているときは、大学や親に迷惑をかけている意識もあったが、受け取ってしまった。



 --一場事件が発覚したときの心境は



 自分もばれるのではないかと不安感があった。



 --西武の隠蔽工作についてどう思うか



 西武が守ってくれるということだったので、それに従うしかなかった。



 --事件が発覚したときの状況は



 練習の後、夜10時に西武の関係者から電話がいっぱい鳴っていたのに気付いた。何かと思ってかけ直すと、ニュースを見ろと言われた。そこで初めて分かった。



【2007/3/15 ZAKZAK】
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