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 【ロサンゼルス國枝すみれ】ハリウッドの壁は厚かった。第79回アカデミー賞で助演女優賞候補だった菊地凛子さん(26)が受賞を逃し、49年ぶりの日本人俳優受賞は実現しなかった。

 この日、菊地凛子さんは、肩の大きく開いたシャネルの黒のドレスで、授賞式会場となるコダックシアター前のレッドカーペットに登場した。

 記者たちの質問に、「幸せです」と菊地さん。「バベルという映画にかかわり2年になるが、みなさんが期待してくれて心強いです。映画は総合芸術であり、私だけではここに立てなかった。監督やスタッフに感謝したい」と堂々とした表情で語った。

 ファッショナブルな印象の強い菊地さんだが、今回のドレスを選んだ理由は「洋服の中にスピリットがあるしエレガントだから」と説明した。

 一方、作品賞、監督賞などにノミネートされた「硫黄島からの手紙」に主演した渡辺謙さんも、妻で女優の南果歩さんとともに姿を現した。渡辺さんは「このように評価されたことで、(作品のテーマが)世界にダイレクトに伝わることをまざまざと感じた」と話した。

 菊地さんが演じたのは、東京で役所広司さんが演じる父親と2人で暮らすろうあの女子高校生。シカゴ映画批評家協会の助演女優賞、ナショナル・ボード・オブ・レビューの新人女優賞にあたるブレークスルー・パフォーマンス賞を獲得するなど、米国で高く評価されていた。

 しかし、アカデミー賞候補となったことで、国際女優として認められたことは確かだ。すでに、海外の作品への出演依頼を受けている。

 「ドリームガールズ」で助演女優賞を受賞したジェニファー・ハドソンさんは、プロの女優ではなく、人気テレビ番組「アメリカン・アイドル」に応募。最終局面で「力不足」と落とされたが、あきらめることなくオーディションを受け、ハリウッドデビューを果たした。

【2007/2/26 毎日新聞 東京夕刊】
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