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プロ野球データ分析06年第5回
■小野俊哉/Toshiya Ono/スポーツアクセス 2006年05月01日

チームを引っ張る“二冠王”浜中

昨年優勝の阪神は、5月1日時点でセ・リーグ3位に位置している。昨年147打点をマークし球団記録を塗り替えた5番・今岡誠が打率2割4厘と出遅れ、4番・金本知憲も4月15日から21日までの5試合連続でノーヒット。湿りがちのクリーンアップに呼応するかのように、チームも5連敗(16日から22日)を喫した。しかし、23日以降6勝1敗と持ち直したのは、ともにリーグトップの打率4割3分5厘、10本塁打を誇る6番・浜中治の活躍が大きい。


「ここぞ」の場面で生きる勝負勘

浜中の得点圏打率5割8分3厘は両リーグトップの高打率だが、 その内容が実にいい。先制点を上げたイニングでは6打数5安打、3本塁打。また、相手チームにリードされた状態から、阪神が同点・勝ち越し・逆転に成功したイニングを見ると、浜中治の成績は10打数8安打5本塁打と、打って欲しい「勝負イニング」に集中して打点を上げていることが分かる。この8安打は両リーグトップタイ、5本塁打は巨人・小久保裕紀の4発を抑え現在両リーグトップである。

例えば30日、巨人の二岡智宏は、2打席連続で満塁本塁打を放ち、プロ野球記録を作って大いに沸かせたが、2本とも大量リードした場面でのもの。一方で浜中は、相手にリードを許した厳しい場面から長打を連発している。同じ長打でも「ここぞ」の場面に快打を放つ勝負勘は、天性のものと言っても過言ではないだろう。


首位巨人との甲子園決戦、カギは機動力

さて、阪神は2日から本拠地・甲子園で首位巨人を迎え撃つ。4.5ゲーム差をつけられてはいるが、ひとつでも多く勝って少しでも詰めておきたいところだ。見どころとしては、まず初戦の先発が予想されるパウエルを阪神打線が打ち崩せるかどうか。というのも、パウエルは大きなカーブのモーションを盗まれることが多く、昨年許した19盗塁は両リーグワースト。俊足とは言い難い西武の和田一浩にも走られるなど、大きな弱点となっていた。許した盗塁成功率も75%と極めて高かった。パウエルは今季ここまで3試合連続完投勝利を上げる活躍を見せているが、1番の赤星憲広が出塁してモーションを盗めば、阿部慎之助の肩では盗塁成功の確率はかなり高そうだ。

赤星については、ここまでの盗塁数はリーグ2位タイの5。昨年の4月末にはすでに14盗塁を記録し、例年なら得点確率50%は楽にクリアしていてもおかしくないのだが……。今季も出塁率は4割を超えており十分高いものの、その割には得点確率が43%とやや低い。阪神ファンとしては、赤星の出塁・盗塁でパウエル攻略の糸口をつかみ、今岡、金本につなげて、浜中の一発を期待したいところだろう。

【2006/5/1 スポーツナビ】
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