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 【ニューヨーク=本間普喜】井川、無念のマイナー落ち! ヤンキースは7日、井川慶投手に、無期限のマイナー行きを通告した。井川はここまで6試合に登板し、2勝1敗、防御率は7.63。当初はマリナーズ戦で先発させる予定だったが、3Aからデサルボが緊急昇格。代わりに井川が25人枠から外されることになった。

 7日のマリナーズ戦の試合前、井川はトーリ監督、キャッシュマンGMと会談し、正式にマイナー落ちを通告された。井川はあす8日にもフロリダ州タンパに移動し、マイナーのコーチとともに、一からフォームの矯正に着手することになる。

 3者会談を終えた井川は、試合前のロッカールームで日米の多数の報道陣に囲まれたが、マイナー落ちのショックは見せず、いつものように淡々としていた。

 「監督からは調整法の話でした。マイナーで調整してくれということです。これまで、調子が悪いとか、いいとかあったんで、マイナーでしっかり調整したいと思います。どれぐらいになるか。見当もつかないですね。とにかく、自分の球が投げられるようにしていきたいと思います」

 マイナーでの調整は、基礎からのやり直しになるという。

 「基本的に、基礎から日本でやってきたような走り込みや投げ込みをやっていきたいと思います。マイナー行きはある意味、チャンスだと思って、しっかり調整したいと思います」

 1年間通して、ローテーションを守ること-を目標に掲げてきた井川だが、その目標は早くも頓挫したことになる。

 だが、井川は「結果をみれば、仕方のないこと。結果を出せなければ下に出されるというのは分かっていた。これまで悪いピッチングをたくさんしてきたので、何とかしたいなという思いだったんですが、このままこっちにいても良くなる要素がなかった。2軍落ちは2005年にも経験があるし、ショックはないですね。むしろ、ちょうどいい機会だと思います」と前向きだ。

 タンパでの調整後、3Aスクラントン、もしくは2Aトレントンで登板することになるが、登板日は未定。当然、メジャー復帰がいつになるかもわからない。

 これまで井川が思うように結果を出せなかった最大の原因は、メジャー流の調整法に順応できなかったことにある。

 「日本でやっていたように、どの時点でマッサージを入れるとか、どの時点でウエートを入れるとか、そういうのがまったくできなかった。こっちのシステムに合わせようとはしましたけど、環境的にも、マッサージ師は1人しかいないし、できるような状況ではなかった。マイナーでは自分で思ったようにやりたい。マイペースでいい環境でやれればと思っています」と井川は言う。



 トーリ監督は、井川のマイナー行きについて、「安定したピッチングができるようになるまで、(マイナーの)ギル・パターソンコーチと一緒にフォームを矯正させる。実戦で投げるのは、トレントンかスクラントンになるが、どこで投げるかは重要ではなく、しっくりしたフォームに調整することが大事。井川には長い時間をかけて説明し、彼が必要な戦力であることを理解してもらった」という。

 ヤンキースはすでに、井川獲得に2600万ドル(約30億円)の落札金と、5年総額2000万ドル(約23億6000万円)の年俸という巨費を投じている。このまま井川がマイナーでくすぶるようなら、とてつもなく“高い買い物”ということになってしまう。また、ヤンキースは代理人との契約交渉の際も、マイナー降格の拒否条項は一切受け付けない。

 今後は、前日に電撃復帰を表明したクレメンスもローテーションに加わる予定で、ヤンキース投手陣の競争は、より厳しいものに。果たして、井川はマイナーからはい上がれるのか-。まさに、正念場。ピンストライプに袖を通すということは、それほど厳しい現実と隣り合わせということなのだ。

【2007/5/8 ZAKZAK】
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