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 ソフトバンク王貞治監督(66)が17日、巨人小久保裕紀内野手(35)の「最終球団発言」に、受け入れ態勢を明言した。この日、渡米を前にフリーエージェント(FA)権の行使を表明し、移籍でも残留でも次球団で引退までプレーする覚悟を口にした小久保に、王監督は「ウチは前にいた球団だし、そうなってくれればいいね」と願った。球団はすでに3年総額10億円を用意し、獲得へ向けて真っ先に名乗りを上げる方針。早ければ11月上旬にも小久保のUターン移籍が実現する。

 待ち望んだのは、ホークスファンだけではない。誰よりも小久保への思い入れが強い王監督の表情が、自然と緩んだ。福岡ヤフードームで、小久保が次球団で骨をうずめる覚悟を示したことを報道陣から聞くと即座に反応し、受け入れる意向を口にした。

 王監督 「本人がそこまで突っ込んだ話をしているのならあれだね。ウチは前にいた球団だし、そうなってくれればいいなと思う」。

 チームが日本一に輝いた03年オフ。当時ダイエーの球団首脳との確執があり、小久保を巨人へ無償トレードで放出。翌年からチームは3年連続でリーグ優勝を逃し続けている。小久保が復帰すれば、これほど心強いものもない。

 球団もその存在の大きさを認める。竹内孝規球団常務兼経営企画本部長は「FAに関しては静観します」と前置きした上で、小久保の人間性について「本当に立派な人間。素晴らしい野球人。素晴らしいリーダーシップを持った選手と認識している」と話した。水面下では「3年総額10億円」の好条件を用意しており、“復帰”準備を進めている。

 当然、戦力としても期待を寄せる。今季はバティスタの複数年契約を途中解除。若返りを促進させたが、ルーキー松田や江川らは伸び悩み、正三塁手不在でシーズンを終えた。王監督は「攻撃力とかすべての面で条件に兼備している。前にいたから気心も知れているしね」と小久保復帰を熱望する。球団もチームの若返りを図る上で若手の模範となるリーダー役としても高く評価。背番号「9」も王監督の意向で空き番のままにしており、真っ先に獲得の名乗りを上げ、誠意を見せるつもりだ。

 日本シリーズ終了後、FA申請期間をへて、交渉解禁は11月上旬。小久保も同5日に帰国予定だ。王監督は「すべてはフロントに任せてある。頑張ってもらいましょう」と話した。小久保復帰が一気に加速する。

【2006/10/18 Nikkansports】
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