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 阪神は16日、今季最終戦を終えた。球団初の連覇を目指し中日を強烈に追撃したが、最後は逃げ切られた。日刊スポーツ評論家の木戸克彦氏は、今季を振り返り、中日に水を開けられた敗因として(1)1、2番の力量差による打線のもろさ(2)こだわり過ぎたJFKの崩壊などを挙げた。

 連覇逸した要因。それは中日と直接交えた7勝14敗という対戦成績に尽きる。打線においては“点”の阪神に対し、中日は“線”として機能していた。岡田監督は選手の長所を生かした野球だった。落合野球は小技を駆使し、追加点をとりながら投手を楽にしていく、いやらしい采配を貫いた。

 野球というゲームは、塁をひとつ進めることによってヒットゾーンが広がるわけで「打ちやすく、守りにくく」なる。その点、1、2番コンビの力量差は歴然だった。

 阪神は赤星の不調イコール走れない、動けないという落とし穴にはまってしまった。藤本、鳥谷らも走塁面で積極的だったかといえば答えは「NO」だ。機動力を駆使してかき回すという意識は希薄だった。

 中日荒木、井端は、ファーム時代からバント、右打ち、エンドラン、相手投手に球数を投げさせる実践を繰り返すなど、当時から自分のスタイルを定めながらプレーしていた。

 阪神は選手に任されるパターンが多く、中日の1、2番コンビのような粘り強さは見受けられなかった。チーム内でも、塁に「出る」「進める」「返す」、この3拍子が備わっているのは金本、矢野、シーツぐらいで、若手、中堅におけるチームの層も中日を下回ったと言わざるを得ない。

 投手陣は「危機感」が欠如していた。今シーズンもJFKにこだわったわけだが、スタート地点からこの3人が1年前と同じ働きをするものと決めつけて臨んだふしがある。

 昨季のフル回転から差し引いて計算すべきところを、開幕からウィリアムスが故障離脱となるや、江草を配置転換するなど、現場はたちまちバタついた。この時点で戦略的に後手に回ってしまった。 先発陣では、下柳、福原、井川の3人は制球力、駆け引きなどで、中日投手陣と引けをとらない。しかし、効果的な得点の援護のあった中日と違って、特に前半の阪神打線は先発陣をアシストできない試合が目立ち、投打のバランスを欠いた。

 能見、ダーウィン、相木のリリーフ陣もJFKにつなぐ役割を果たせなかったのが痛かった。昨季の江草、橋本、桟原がこなしたポジションに安定したリリーバーが不在だった。

 ほとんど同じ顔ぶれで戦った投手陣だが、優勝した昨季と同じイメージで開幕したのは失敗だったといえる。先発したのは中村泰ぐらい。新戦力の台頭がなかったのが響いた。

【2006/10/17 大阪Nikkansports】
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