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【1月16日】2006年(平18) 

 楽天の監督に就任することになった野村克也監督が日本ハムの地元・札幌で講演。かつての弟子で日本ハムで活躍する新庄剛志外野手の“口撃”に仕返しをした。

 「阪神で2年ほど付き合ったけど、個性が強いというか、ただの目立ちたがり屋で格好ばかり気にしている」「セ・リーグでは(打率)2割そこそこだったのに、日本ハムに来て2割7、8分(04年は2割9分8厘、05年は2割3分9厘)ぐらい打った。不思議だねぇ。パ・リーグが粗っぽいのかな」。

 ファイターズ人気が徐々に高まりつつあった北海道。その象徴的存在の新庄へのキツい言葉は、毒舌で知られるノムさんの真骨頂ともいえるが、その背後に1週間前の新庄の“ハワイ発言”が伏線としてあったような気配が感じられた。

 元阪神の日本ハム・坪井智哉外野手とともにハワイで自主トレ中の新庄は、楽天監督として復帰する野村監督について「声が小さくて聞こえにくい。2回同じことを聞くと怒られる」「ヘラヘラして相手をカリカリさせる」などと発言。かつてのボスに“先制口撃”を加えていた。

 ノムさんも無視すればいいのだが、そこはサービス精神旺盛?。新庄に売られたケンカを買うことで、3月25日の開幕戦となる札幌ドームでの日本ハム-楽天戦にマスコミやファンの注目を集められるのでは、という計算が多少働いた。札幌での新庄への“口撃”を単なる悪口に終わらせず、さまざまな効果を考えての発言だった。

 捕手の野村監督は現役時代から打者への“ささやき戦術”で数々の修羅場を切り抜けてきた。ヤクルトの監督を務めた9年間も「そばにも寄ってもらえない。偉い遠いお方だから。われわれ庶民と違ってブルジョワな方」と92年、復帰が決まった巨人・長嶋茂雄監督に対して挑発。93年、13年ぶりに采配を振るった長嶋監督にプレッシャーをかけた。

 「大した選手じゃない。打撃も広島の野村(謙二郎)内野手の方が上だし、足も巨人の緒方(耕一外野手)の方が速い」と95年の日本シリーズではキーマンのイチロー外野手をやり玉にあげた。中心選手を精神的に動揺させたことで機能不全にし、ヤクルトは覇権を握った。

 時が流れて06年のシーズン、野村と新庄はどちらがイライラしたのか。結果でみれば野村監督の“口撃”は大失敗だった。楽天は札幌ドームでの開幕2連戦に連敗すると、5月5日の5回戦から11連敗。対戦成績3勝17敗で日本ハムの25年ぶりリーグ優勝に大きく貢献してしまった。

 新庄も対楽天戦は打率3割2分3厘、3本塁打13打点。シーズン打率2割5分8厘を考えれば、大当たりだった。新庄はこの年限りで現役を引退。最後の最後で元“恩師”に強烈な仕返しをしてユニホームを脱いだ。

【2009/1/16 スポニチ】
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