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開幕1軍目指しキャンプで奮闘

 今年の阪神ルーキーの中で、ドラフト3位ながら全国的な知名度でトップにいるのが上本博紀内野手(22)=早大。高校、大学とエリート街道を突き進んできた華やかさとともに、実力的にも“ドラ1級”の素質を持ち合わせている。

 新人合同自主トレの持久走で7人中最下位に沈没した上本。いきなりのプロの洗礼を浴びた格好で、真弓監督からも「スタミナありそうな体つきしているのにな。持久走は気持ちで走らないと」と苦言を呈されていた。

 自身もプロ野球選手としては小柄な体で一流にのし上がっただけに、同じタイプの上本には期待の裏返しといえる厳しい言葉を飛ばす。

 上本本人は「僕はまだまだヘタです」「今年は鳴尾浜球場でやることが多いと思う」と謙虚な物言いに終始。威勢のいい言葉が聞こえてこないのが心配になるが、その野球人生はエリート街道まっしぐらだ。

 甲子園常連の強豪・広陵高でセンバツ大会に優勝。早大入学後も1年春の開幕戦からスタメン出場し、4年秋までリーグ戦全104試合にフルイニング出場した。

 2~4年時には大学野球日本代表に選出。3年時の日米大学野球選手権では、昨年のMLBドラフトで全体4位でオリオールズに指名された期待のルーキー、ブライアン・マイタス投手からタイムリーを放つなど、メジャーのスター候補生たちとも互角に渡り合った経験をもつ。

 広陵高出身で野球センス抜群の上本には、早くから地元球団の広島が獲得に熱心だった。だが、「どちらかというとプレーが軽く見えるタイプなのが災いし、泥臭い選手を好む広島が評価を落とした」と球界関係者。

 早大の同級生の横浜・松本啓二朗外野手は「(自分としては)けががなければ『開幕1軍』はいけると思う」と宣言をしている。その松本は東京六大学通算105安打だが、上本はその上を行く通算109安打を放っているのだから、ライバルとしてプロでも後れをとるわけにはいかない。阪神の新人野手としては早大の先輩、鳥谷以来の開幕1軍への期待もかかる。

 もちろん、入団時から正遊撃手が“確約”されていた鳥谷ほどのレールが敷かれているわけではないだけに、上本自身がキャンプでアピールを仕掛けていくしかない。

【2009/1/22 ZAKZAK】
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