close
 【デトロイト=ジョージ・キング】井川もゴジラも沈没した。ヤンキースの井川慶投手(28)は9日(日本時間10日)、今季初めてメジャー昇格し、当地でのタイガース戦に先発で登板。四球こそゼロだったが、メジャー自己ワーストの11安打を浴びて3イニング0/3を6失点でKOされ、黒星を喫した。日本の虎(阪神)でエースを張った男は、ジラーディ監督の「ストライク指令」に従ったのが裏目となり、猛虎打線の餌食となった。4番左翼で出場した松井秀喜外野手(33)も連続試合安打が自己最長の「17」で途切れて今季初失策も犯し、日本人コンビはさんざん。試合は5-6で敗れた。

 指揮官への正直すぎる忠誠心があだとなった。井川はストライクを取りにいった速球をことごとく痛打され、3回を終えてすでに4失点。4回もいきなり4連打で2点を奪われ、1死も取れずに降板した。

 試合前、ジラーディ監督から「ストライク先行で行け。テンポ良く投げろ」とハッパをかけられた。マイナーも経験した1年目の昨季は14試合で2勝3敗、防御率6・25。与四球37は9イニングに換算すると約7・5個。最大の課題だった制球難を克服すべく、この日はストライク先行の配球を実践した。

 64球中、ストライクは41球。期待通りに無四球に抑えたが、速球、変化球とも猛虎打線を打ち取るだけの威力がなかった。1回に先頭ロドリゲスに二塁打を打たれ、次打者の打球が尻を直撃するアクシデントの後に中犠飛で1点を献上。3回には味方のまずい守備も重なり3点を失った。「ストライクを集めすぎたのが失敗。三振が取れなかった。四球がゼロでも三振がゼロなら意味がない」。井川は悔しさをにじませた。

 試合後のジラーディ監督は厳しい注文をつけた。「平凡な速球だけで、他にストライクを取れる球がなかった。やはり、すべての持ち球を生かす必要がある。球種が1つでは通用しない」。予定通りなら次戦先発は14日(日本時間15日)のレイズ戦だが、この日の内容で保留となってしまったという。

 「(どこでやろうと)野球をやることに変わりない。自分のピッチングをするだけ。次は三振を取る配球を自分で考えていきたい」。井川は気丈な姿勢を貫くが、メジャー定着のせっかくのチャンスを台なしにした形。ポスティング制度の入札金(2600万ドル)を含めて獲得に4600万ドル(約46億円)もの大金が投じられた男に対する風当たりは、今年も強い。(NYポスト紙記者)

【2008/5/11 中日スポーツ】
arrow
arrow
    全站熱搜
    創作者介紹
    創作者 ht31sho 的頭像
    ht31sho

    因為有你們~~現在的我過得很快樂

    ht31sho 發表在 痞客邦 留言(0) 人氣()