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 米国発の世界的な不況もどこ吹く風だ。ヤンキースはこのオフ、次々と大型補強に成功した。

 打者ではマーク・テシェイラ内野手(28)の加入が決まり、松井秀喜外野手(34)はトレード候補へと追いやられた。

 投手ではC・C・サバシア(28)、A・J・バーネット(32)を獲得した。一方で、昨季途中からトレード話が絶えないにもかかわらず、進展のない井川慶投手(29)は落ち着かないオフを過ごしている。

 米大リーグ2年目の昨季、井川は変わった。2月のキャンプ。「今年は悔いのないようにやりたいです」と首脳陣に申し入れ、メジャーでは異例となる日本流の“投げ込み”を認めさせた。

 全体練習開始の3時間前となる午前7時にはブルペンに立ち、阪神時代のように投げ込んで肩をつくった。すっぽ抜けたりたたきつけたりといった制球の乱れも1年目と比べて少なくなった。

 練習で芽生えた自信によってグラウンド外の姿勢も変わった。ロッカーでふさぎ込み、自分の世界に入りがちだった新人時代とは一変。投手仲間に大好きな将棋を伝授して差し合い、台湾出身の王建民投手(28)とは毎日、母国語を教え合った。井川の周囲には笑いがあふれていた。

 だが、これらの変化も結果には結びつかなかった。オープン戦の段階であえなく失格の烙印(らくいん)を押された。

 大リーグでの登板は2試合にとどまり0勝1敗、防御率13.50。マイナー生活が大半となったものの「米国で必ず成功する」との熱い気持ちは変わらず、腐ってはいない。井川も移籍を前向きにとらえているだけに、早く吉報が届くのを願うばかりだ。

(阿見俊輔 【MLBコラム】)

【2009/1/8 サンスポ.COM】
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