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ああ勘違い、練習試合にもルール適用
【スコッツデール(米アリゾナ州)10日=米沢秀明】米国合宿を開始したWBC日本代表の松坂大輔投手(28)が、WBC本部からの通告により先発予定だった11日の米大リーグ、ジャイアンツとの練習試合に登板できなくなった。投球制限に関するWBC特有のルールを日本代表首脳陣が誤解していたためのトラブルで、15日の2次ラウンド初戦に先発するエース松坂の調整は大きく変更されることに。連覇を目指す侍ジャパンにとっては、今後の戦いに影響しかねない大失態となった。
侍ジャパンの責任者出てこい! そんな叫び声が、日本から太平洋を越えて聞こえてきそうな不手際だ。11日のジャイアンツとの練習試合に、先発予定の松坂が登板できなくなった。それも、日本の首脳陣がWBCの大会規定を事前に把握できていなかったことが原因という大チョンボだ。
午後2時、気温25度、カラッと晴れ渡った米南西部アリゾナのグラウンドで練習を開始した侍ジャパン。そこに、WBC本部から派遣された大会役員が現れ、日本にとっては思いもしなかった通告がなされた。
「マツザカは11日の練習試合に登板できない」
とたんに山田久志投手コーチをはじめ、ジャパン首脳陣がバタつき始めた。当初は、大黒柱の松坂を11日のジャイアンツとの練習試合で先発調整させ、15日のWBC2次リーグ初戦に送り込む予定だった。その必勝構想が、試合前日になって崩れ去るのだから、日本にしてみれば、たまったものではない。日本は松坂の登板予定を、所属選手の管理が厳しいレッドソックス側に連絡し、承諾を得たものの、肝心なWBC本部への事前確認は行っていなかった。
【米国の日付基準】
メジャーリーガーが多数出場するWBCは、大会中の故障などで多額の保証問題が生じることから、投手に投球制限(別掲)を設けている。14-2とコールド勝ちした7日の韓国戦で先発し、65球投げている松坂は次の登板まで中4日空けなければならない。松坂の登板解禁日は12日ということになる。これは練習試合にも適用されることが、WBCルールに明記されているのだ。
日本サイドは、「日米間では時差がある」と主張した。確かに米国時間の11日は日本では12日。しかし「このルールはあくまで米国の日付が基準になる」とWBC側に、はねつけられた。その上、7日の韓国戦の試合開始時間は午後6時半で米国本土の日付は、すでに7日。最初のうちは松坂を強行登板させようとしていた日本側の考えも、しぼんでしまった。
日本側はあくまで「時差の解釈の違い」を今回の不手際の理由とした。しかし大会役員からの通告直後に山田投手コーチが報道陣に対し「強化試合でも、まずいということなんだ」とポロリと漏らしたことから、日本首脳陣は『規定は強化試合も含まれる』という基本事項さえも把握していなかったフシが見られる。
いずれにしても、「何が起こっても不思議ではない」と耳にタコができるほど言われ続けている国際大会。しかも、今回は日本国中が優勝を期待するWBC、さらに世界一を託す松坂の調子を左右する問題だ。日米間の時差など最初から分かっていたはずで、しつこいくらいに大会本部に確認するのが当然。ジャパン首脳陣の手落ちであることは明らかだ。
原監督は練習後「心地よく汗をかけた」と話すにとどまったが、いい迷惑なのは、松坂だ。強豪キューバとの対戦が濃厚な15日のWBC2次ラウンド初戦から逆算した調整スケジュールはご破算。またジャイアンツ戦では、昨季サイ・ヤング賞投手の剛球右腕、ティム・リンスカム投手(24)との先発対決もお流れとなった。
結局、12日のカブスとの練習試合にスライド先発するが、15日の本番先発は中2日になり、カブス戦は投球制限の規定で50球以上は投げられない。ある程度の投球数を投げ込まなければ調子が上がらない松坂にとっては死活問題だ。さらにダルビッシュ、岩隈ら他先発陣の登板も変更を余儀なくされるなど、影響は計り知れない。
「WBCのルールなので仕方ない。こっちにきて(米国に移籍して)から、突然のできごとには慣れているから」。松坂の力強い言葉を信じるしかない。
■WBCでの投球制限 先発投手の球数制限のほかに、登板間隔の制限が設けられている。1試合で50球以上投げた投手は次の登板までに中4日空けなければならない。1試合で30球以上50球未満の投手、30球未満でも連投した投手は中1日。また、準決勝で30球以上投げた投手は、決勝で登板できない。
【第2回WBC・球数制限】
第1ラウンド 70球
第2ラウンド 85球
準決勝・決勝 100球
注:打者と対戦中に制限数を迎えた場合、その打者に投げ終えるまで投球可能
【日本代表の今後の日程】
現地時間 (日本時間)
11日13時05分(12日5時05分)練習試合ジャイアンツ戦
12日13時05分(13日5時05分)練習試合カブス戦
15日13時00分(16日5時00分)第2R日本対B組1位
【2009/3/11 ZAKZAK】
【スコッツデール(米アリゾナ州)10日=米沢秀明】米国合宿を開始したWBC日本代表の松坂大輔投手(28)が、WBC本部からの通告により先発予定だった11日の米大リーグ、ジャイアンツとの練習試合に登板できなくなった。投球制限に関するWBC特有のルールを日本代表首脳陣が誤解していたためのトラブルで、15日の2次ラウンド初戦に先発するエース松坂の調整は大きく変更されることに。連覇を目指す侍ジャパンにとっては、今後の戦いに影響しかねない大失態となった。
侍ジャパンの責任者出てこい! そんな叫び声が、日本から太平洋を越えて聞こえてきそうな不手際だ。11日のジャイアンツとの練習試合に、先発予定の松坂が登板できなくなった。それも、日本の首脳陣がWBCの大会規定を事前に把握できていなかったことが原因という大チョンボだ。
午後2時、気温25度、カラッと晴れ渡った米南西部アリゾナのグラウンドで練習を開始した侍ジャパン。そこに、WBC本部から派遣された大会役員が現れ、日本にとっては思いもしなかった通告がなされた。
「マツザカは11日の練習試合に登板できない」
とたんに山田久志投手コーチをはじめ、ジャパン首脳陣がバタつき始めた。当初は、大黒柱の松坂を11日のジャイアンツとの練習試合で先発調整させ、15日のWBC2次リーグ初戦に送り込む予定だった。その必勝構想が、試合前日になって崩れ去るのだから、日本にしてみれば、たまったものではない。日本は松坂の登板予定を、所属選手の管理が厳しいレッドソックス側に連絡し、承諾を得たものの、肝心なWBC本部への事前確認は行っていなかった。
【米国の日付基準】
メジャーリーガーが多数出場するWBCは、大会中の故障などで多額の保証問題が生じることから、投手に投球制限(別掲)を設けている。14-2とコールド勝ちした7日の韓国戦で先発し、65球投げている松坂は次の登板まで中4日空けなければならない。松坂の登板解禁日は12日ということになる。これは練習試合にも適用されることが、WBCルールに明記されているのだ。
日本サイドは、「日米間では時差がある」と主張した。確かに米国時間の11日は日本では12日。しかし「このルールはあくまで米国の日付が基準になる」とWBC側に、はねつけられた。その上、7日の韓国戦の試合開始時間は午後6時半で米国本土の日付は、すでに7日。最初のうちは松坂を強行登板させようとしていた日本側の考えも、しぼんでしまった。
日本側はあくまで「時差の解釈の違い」を今回の不手際の理由とした。しかし大会役員からの通告直後に山田投手コーチが報道陣に対し「強化試合でも、まずいということなんだ」とポロリと漏らしたことから、日本首脳陣は『規定は強化試合も含まれる』という基本事項さえも把握していなかったフシが見られる。
いずれにしても、「何が起こっても不思議ではない」と耳にタコができるほど言われ続けている国際大会。しかも、今回は日本国中が優勝を期待するWBC、さらに世界一を託す松坂の調子を左右する問題だ。日米間の時差など最初から分かっていたはずで、しつこいくらいに大会本部に確認するのが当然。ジャパン首脳陣の手落ちであることは明らかだ。
原監督は練習後「心地よく汗をかけた」と話すにとどまったが、いい迷惑なのは、松坂だ。強豪キューバとの対戦が濃厚な15日のWBC2次ラウンド初戦から逆算した調整スケジュールはご破算。またジャイアンツ戦では、昨季サイ・ヤング賞投手の剛球右腕、ティム・リンスカム投手(24)との先発対決もお流れとなった。
結局、12日のカブスとの練習試合にスライド先発するが、15日の本番先発は中2日になり、カブス戦は投球制限の規定で50球以上は投げられない。ある程度の投球数を投げ込まなければ調子が上がらない松坂にとっては死活問題だ。さらにダルビッシュ、岩隈ら他先発陣の登板も変更を余儀なくされるなど、影響は計り知れない。
「WBCのルールなので仕方ない。こっちにきて(米国に移籍して)から、突然のできごとには慣れているから」。松坂の力強い言葉を信じるしかない。
■WBCでの投球制限 先発投手の球数制限のほかに、登板間隔の制限が設けられている。1試合で50球以上投げた投手は次の登板までに中4日空けなければならない。1試合で30球以上50球未満の投手、30球未満でも連投した投手は中1日。また、準決勝で30球以上投げた投手は、決勝で登板できない。
【第2回WBC・球数制限】
第1ラウンド 70球
第2ラウンド 85球
準決勝・決勝 100球
注:打者と対戦中に制限数を迎えた場合、その打者に投げ終えるまで投球可能
【日本代表の今後の日程】
現地時間 (日本時間)
11日13時05分(12日5時05分)練習試合ジャイアンツ戦
12日13時05分(13日5時05分)練習試合カブス戦
15日13時00分(16日5時00分)第2R日本対B組1位
【2009/3/11 ZAKZAK】
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