巨人は12日、東京・大手町の球団事務所で会見を開き、11日のロッテ戦(千葉マリン)で、李承ヨプの2ランが取り消された原因となった小関の走塁について「三塁ベースを踏んでいた」と明らかにした。11日夜にテレビ放映された、小関が右足かかとで三塁ベースを踏む映像も報道陣に公開し、13日にもセ・リーグ連盟に抗議する方針。原監督も、ロッテ・バレンタイン監督へ再試合の開催を求めた。

1本のテレビ映像が、小関の無実を物語っていた。11日夜にフジテレビ系「すぽると!」で放送された映像が、この日夕方、球団事務所で報道陣に公開された。確かに、小関は、右足のかかとでベースを踏んでいた。「明らかな誤審である。可能であれば再戦を要求したいが、試合は成立しているので、セ・リーグに厳重に抗議ということになる」清武球団代表は厳しい口調で話した。

問題のシーンは1―1で迎えた3回2死一塁で起きた。李が右中間へ右越え2ランを放ったが、西本三塁塁審は、走者の小関が三塁ベースを空過したとして単打に訂正。この2得点は取り消された。原監督はベンチを飛び出し抗議したものの、判定は覆らなかった。しかし映像が全国放送されたことで、球団が事実確認に動いた。

同代表は「審判の権威だけでなく、小関選手、李選手の名誉を傷つけたことに猛省を促したい。連盟には口頭で抗議し、あした(13日)文書で正式に抗議します」と説明。審判もベースから遠いところで見ていたとも主張している。

原監督は13日のオリックス戦に備えて福島へ移動。小関がベースを踏んでいたと知り、悔やみきれない表情だった。「審判員として功績をお持ちの西本審判員ですが、歴史的かつ考えられないミスを犯してしまいました」と失望感をあらわにした。

願わくば再戦を。指揮官は「時を戻し、その時点から再試合を要求したい。幅広い視野、尊敬できるバレンタイン監督なら私の気持ちも伝わると信じている」とも話した。試合は成立しているとはいえ、悔やんでも悔やみきれない一戦。球団は今後、改めてビデオ判定制度の導入なども訴えていく方針だ。

【2006/6/13 スポーツ報知】
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