close
 17人が殺傷された東京・秋葉原の現場近くの献花台では、「アキバ」の常連たちが自分たちの流儀で冥福を祈り続けている。サブカルチャーの聖地、秋葉原を象徴するアニメキャラクターのぬいぐるみやセル画、秋葉原が生み出したヒット商品「おでん缶」などが供えられている。アキバをこよなく愛する若者たちは「他人とは思えないから」と涙を見せた。

 逮捕された加藤智大容疑者(25)がトラックで突っ込んだ交差点脇。事件当日の8日夜から花束が置かれ始めた。

 「オタクのやり方で弔います」。千葉市の男性会社員(42)はそう話し、人気アニメ「機動戦士ガンダム」のセル画を手向け、黙とうをささげた。男性は「同じ人間としてどんな事情があろうと殺人は許せない」と憤りをあらわにした。

 9日は雨。しかし献花の人波は絶え間なく続いた。東京都港区の男性会社員(23)はアイドルのイベントを見るため毎週末やってくる。「同じ趣味の人同士が知り合える街で大好き。ここで亡くなった人は仲間」と目を赤くした。

 10日は花束が献花台を埋め尽くした。千葉県松戸市のフリーター男性(25)は「自分の一番大切なもの」と前置きし、ゲーム愛好者らで開発した「同人ゲーム」主人公のキーホルダーを供えた。8日は現場近くにいた。「自分も巻き込まれていたかもしれない」。加藤容疑者は同じ年。居ても立ってもいられず献花にやってきた。

 12日夜。仕事帰りだというメイド喫茶で働く女性(21)がジュースのペットボトルをそっと献花台に置いた。「秋葉原が好きで働いている。人ごととは思えず悲しい」【町田徳丈、酒井祥宏、内橋寿明】

【2008/6/13 毎日新聞】
arrow
arrow
    全站熱搜

    ht31sho 發表在 痞客邦 留言(0) 人氣()