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<阪神5-1オリックス>◇17日◇大阪ドーム

14日ぶりの1軍ゲームとなった阪神・林威助外野手が大暴れだ。1号3ラン&2号ソロ。プロ初2打席連発の活躍を見せた。実戦機会を増やすべくあえてファーム行きを指令されていた男が帰ってきた1軍で岡田監督の期待に見事に応えた。この勝利で阪神は交流戦同一カードの通算連勝新記録となる9連勝を飾った。

プロ初2連発の味は格別だ。林は照れくさそうにヒーローインタビューで頭を下げた。同点打で今季初めてお立ち台に上がったのも大阪ドーム(4月7日、横浜戦)。同じ舞台で前回以上の大声援を受けた。

「最高です。みんなも喜んでくれてボクもうれしいです。ファームに落ちてせっかくのチャンスだったし、いい仕事ができてよかったです」

1点リードの4回無死一、三塁。オバミュラーのストレートを豪快に右翼3階席へ運んだ。弱る敵を圧倒するムードを作る今季1号3ラン。続く6回には1死から2号ソロでダメを押した。

高校時代に台湾からやってきた。27歳、4年目とは思えない初々しさだ。プロでの本塁打は昨年最終戦一つ前の消化試合で放ったものが1本あるだけ。岡田監督が期待する秘蔵っ子が、ついにベールを脱いだ。

「いいチャンスをつかんでくれた。本当に大きい3ランやった」。指揮官も目じりを下げる活躍だった。開幕から左の代打としてまずまずの成績を残していたが6月5日にファームへ。浜中、スペンサーが好調のため、出場機会が減っていた。実戦勘を取り戻させるための「親心」だった。前日16日に1軍再登録。この日が6月3日以来、14日ぶりの1軍ゲームだった。そこで最高の結果を出した。

「いい報告ができます」。母親の話になると声が弾む。母・張鳳嬌さんへ、週3度の国際電話は欠かさない。父・秋桂さんは95年12月、47歳の若さで他界。母は林の学生時代、農作業のパートをしながら月8万円の仕送りをしてくれた。恩返しに契約金は全額プレゼント。今も年間数度に分けて生活費を送っている。

兄威名さんは台北の銀行に勤めているため、母は今、台中で一人暮らし。日本に呼び寄せることも考えたが「知り合いもいないし…」と、電話でつながった今の状態が母にとって一番の幸せと思っている。

2週間ぶりの連勝でチームの貯金は9日ぶりに2ケタの「10」に。昨年からのオリックス戦連勝は9にまで伸びた。「孝行息子」がチームにもたらす勢いは、連覇へ大きな力となるはずだ。【片山善弘】

【2006/6/18 大阪Nikkansports】
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