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(セ・リーグ、横浜10-6阪神、15回戦、阪神12勝3敗、10日、横浜)

阪神が審判に泣かされた。安藤優也投手(28)が五回二死二、三塁から横浜・石井に投じた球は、バットに当たってバックネットへ転々。が、有隅昭二球審(38)の判定はファウルではなく暴投。2者生還で逆転を許したばかりか、同球審を突いた矢野輝弘捕手(37)は退場。

中日との3連戦(11-13日・ナゴヤD)を前に、痛すぎる1敗だ。







竜追撃への6連勝が…。今季最多貯金15が…。痛恨の“大誤審”によって水を差された。いやもう、ダムの放水くらいの勢いで吹き飛ばされた。痛い、痛すぎる1敗。試合後、バスへ歩く岡田監督は、報道陣の質問を仏頂面で「知らんわ」とシャットアウト。最後に、こう吐き捨てた。



「誰が見ても、わかるやろ! 野球がダメになるわ…」



安藤の好投で、2-0と優位に進めていた五回だ。1点を失い、なお二死二、三塁。石井に対しフルカウントからの低めスライダーは、ワンバウンドしてバットに当たり、バックネットへ跳ねていった。が、有隅球審はファウルではなく、四球、暴投と判定。



これに捕手・矢野が怒った。同球審に詰め寄り、マスクを地面に叩きつけた。その間に2者が逆転のホームを駆け抜けた。矢野が同球審の両肩を押し、暴行で退場になると、後はもう、ラグビーのモール状態。矢野を先頭に、止めに入った虎のコーチ陣らが、審判団を三塁ベンチ前まで押し込む。岡田監督も「当たっとるやんか! 石井も(一塁へ)走っとらん」



当然ながら、15分近い抗議にも判定は覆らず。理由は「4氏審判がバットに当たったことを確認できなかった」(渡田審判)。しかし、映像で見てもやっぱりファウル。石井自身、ファウルと思ったから走ってなかったはず。これでは、納得できるわけもない。



疑惑はもう1つ。二死二塁での再開に、岡田監督が再び、有隅球審に抗議。安藤も「何で石井さんが二塁(に進塁)なのか。矢野さんが退場になった時点でボールデッドじゃないのか」と疑問を投げかけた。確かに、乱闘になった時点でボールデッドなら、再開は二死一塁。しかし、この判断基準に関しても審判の説明は曖昧。結局、二死二塁から小池に二塁打。直後の六回に逆転したが、大混乱の試合はもう、元の流れに戻らなかった。浮き足立つようにミスを重ね、逆転を許した。



「当たってなかったら、恥ずかしくてよう言わんよ。100%、確信があるから言うたんや」



冷静さを取り戻した矢野が、つぶやいた。11日からナゴヤDで中日との首位決戦。正妻は出場停止の可能性もある。しかし…昨年は9月7日のナゴヤD、誤審に燃える劇勝をおさめた。優勝できるチームか、否か。06年岡田阪神の反発力が、ここから試される。



(堀啓介)



★有隅球審「当たっていません」



審判団は試合後、報道陣に囲まれ、責任審判の渡田均氏(一塁塁審)が対応。「誰もバットが当たったとはハッキリ見ていない。ということは、ただの投球ですからインプレーです」と語った。ビデオで見る限りは“誤審”だが、「現時点でビデオ判定は採用していない。我々がグラウンド上で判断するだけです。(今回のジャッジについては)我々の反省会で重々考えること」と話した。また、球審の有隅昭二氏は「当たっていません」とだけ話した。



【バックネット裏観客の証言】



◆島英司さん(36)=川崎市、会社員

「どう見たってチップでしょう。バットに当たる音は聞こえなかったけど、当たったのは見えたし、コースがそれたのは確認できた。あれで矢野退場はないよ…」



◆橋田浩介さん(47)=横浜市、会社員

「(バットに)当たらなかったら、捕手が簡単に捕れるコース。ストンと急に落ちたんだけど」



★抗議文提出へ

阪神の沼沢正二常務取締役球団本部長は10日、同日の横浜戦(横浜)の五回の守備の判定について、連盟に抗議文を出す考えを明らかにした。



「大誤審でしょう。協議して(判定が)ひっくり返るのかと思いましたが。ベンチでも(バットに当たった)音がしたと言っていた。審判4人以外は全国のファンもファウルだと思っていると思います。断固として抗議します」



横浜が1点を奪ってなお二死二、三塁の場面。打者石井に対し、フルカウントから安藤の低めへの投球が暴投となった。しかし、矢野は石井のバットに投球が触れたファウルだと抗議。この際に有隅主審に暴行を働き、退場処分を受けた。



矢野については「暴力行為はいいとはいえないが、彼の心の中は痛いほど分かる」と擁護。11日にも抗議文を提出する意向だ。



【2006/8/11 サンスポ.COM】
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