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 第80回アカデミー賞のノミネーションが発表され、いよいよ今年のオスカー賞レースが本番を迎える。

 今年は、米脚本家組合(WGA)のストライキにより、ゴールデングローブ賞の授賞式が中止に追い込まれるなど異例の事態が起こった。そのため、2月24日のアカデミー賞授賞式にも不安要素は残る。しかしそんななか、今回のノミネーションの発表はスムーズに行われた。

 映画芸術科学アカデミーの会長シド・ガニスと、最後まで名前が伏せられていたゲストのキャシー・ベイツが壇上にあがり、次々と主要部門のノミネーションを発表していった。例年のように、全体で10分ほどの短い発表だった。

 作品部門にノミネートされたのは、『つぐない』、『JUNO/ジュノ』、『フィクサー』、『ノーカントリー』、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』の5作品。そのうち『ノーカントリー』と『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』が8部門の最多ノミネートで全体をリード。続いて『つぐない』と『フィクサー』が7部門、『JUNO/ジュノ』が4部門のノミネート。

 俳優の部門では、ノミネートされた20人うち、9人がアカデミー賞にノミネートされるのが初めての新人。今年はニューフェイスが多い年になった。

 ちなみに今年の俳優部門でのオスカー受賞経験者は6人。

 今回ケイト・ブランシェットは、主演女優賞と助演女優賞の2部門にダブル・ノミネートされている。アカデミー賞史上この2部門でダブルノミネートは今回で11回目になるが、実際にダブルで受賞を果たした人はまだいない。

 また『アイム・ノット・ゼア』のブランシェットがボブ・ディランを演じたように、女性が男性役を演じてノミネートされたのは、今回のブランシェットで2度目。1回目は、『危険な年』(82)で男性カメラマンを演じ、助演女優賞を受賞したリンダ・ハントだ。 

 また、今年は脚本部門に4人の女性の名前(共著の一人ではなく、一人で書いた作品)があがったことも特筆すべき点だ。ここまで多くの女性ライターがノミネートされたのは、アカデミー史上初めて。

 意外だったのは、俳優部門で、下馬評では有力視されていたライアン・ゴズリングやデンゼル・ワシントンの名前があがらず、『告発のとき』のトミー・リー・ジョーンズが主演男優賞にノミネートされたことだ。

 また、愛らしい小品『JUNO/ジュノ』が、エレン・ペイジの主演女優賞を含め、4部門にノミネートされたこともうれしい驚きがあった。去年の『リトル・ミス・サンシャイン』に匹敵すると言われている『JUNO/ジュノ』。小品ながらも興行的に成功するなど、その人気の高さが今回のノミネートにつながったのだろう。

 新人の名前が目立った今年のノミネーション。アカデミー賞に新しい風が吹きこんできたような気がする。

 と同時に、今年はジョージ・クルーニーやジョニー・デップなどのビッグ・スターも主演部門でノミネートされている。例年通りレッドカーペットが敷かれれば、今年もかなりゴージャスな授賞式となるだろう。

 「ストがあってもなくても、授賞式は開催します」とアカデミー側は断言している。今年もぜひ、フラッシュがたくさんたかれるようなアカデミー賞になって欲しいものだ。

http://www.varietyjapan.com/news/movie/u3eqp3000002d8ic.html

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