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 昨年までラミレス、グライシンガーが所属したヤクルトを相手に、巨人が1992、3年のヤクルト以来、15年ぶりのリーグ連覇を達成した。このカードの成績は17勝6敗。エースと4番を引き抜いた効果はてきめんだった。抑えのクルーンの古巣である横浜には18勝5敗1分け。こちらも大きく勝ち越した。

 ラミレスは打率、本塁打、打点でチームの3冠王が確実。グライシンガーはチームの勝ち頭、クルーンはセーブの球団記録を更新した。残りはあと1試合。この主要5部門のチーム1位のすべてを外国人選手が占めることになれば、70年をこえる巨人の歴史で初めてになる。

 ヤクルトはラミレスの契約更新に消極的だったが、グライシンガーの引き留めには必死だった。横浜もクルーンの流失阻止に躍起だった。同一リーグの他球団で中心選手だった外国人を獲得しての優勝には、釈然としない思いが残る。若手の成長はあったにしても、金で買ったペナントとのそしりは免れない。

 活躍した外国人が移籍するのは、大半が年俸で折り合いがつかない場合。一定期間までに契約がまとまらず、フリーの立場になるというパターンだ。“外国人天国”を助長し、一部球団だけが恩恵にあずかっている。 現状で悪習を断ちきるには、個々の球団がこうした契約を結ばないようにするしかないのだが、グライシンガーのように、日本で1年プレーしただけでフリーになれる契約を認めぬよう、球界全体で取り決めることを真剣に考える時期にきている。そうでなければ、金で買う優勝がいつまでも跋扈(ばっこ)する。(佐藤正弘)

【2008/10/10 MSN産経ニュース】
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