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テレビ解説で神懸かりトーク


 “クドトラダムス”の大予言だ~!? 日本シリーズは原巨人が3勝2敗として日本一へ王手をかけた。このシリーズでは、現役最年長の横浜・工藤公康投手(45)が第2戦から第5戦まで異例の「テレビ中継ゲスト解説4連投」。放送中にこれから起こることを「サキヨミ」すると、これが次から次に的中し評判になっている。その工藤が「第7戦までもつれ込む展開なら、西武にも勝算あり」と断言した。

 今年の日本シリーズは、第2、第3、第4、第5戦の計4試合をテレビ朝日系列が放送。工藤はその全試合にゲスト解説者として登場した。今季は左ひじの違和感に悩まされ、わずか3試合の登板で0勝2敗に終わった工藤だが、そのトークは神懸かり的だ。

 第3戦の3回の西武の攻撃。無死一塁の場面で今季公式戦打率が.238に過ぎない細川が打席に入った際、工藤は「(巨人捕手の)鶴岡君が一塁走者の盗塁を警戒してスライダーを使わずにそれ以外の球だけで打ち取ろうとするなら、ヒットの確率が高い」と断言。直後、細川は内海の速球を叩きレフト前ヒットとなった。

 逆に、公式戦打率.317を誇る西武・栗山の打席では、工藤が「この打席に限っては、どんな球種を投げても打たれることはなさそう」と見切ると、その言葉通り、遊ゴロに倒れた。

 また、第5戦の5回に突然、西武の主軸・中島の交代が告げられると、間髪入れずに「打席中に何かあったとすれば、自打球か脇腹しかない」と指摘。後に球団が左脇腹痛と発表した。

 結果論であれこれ物を言う評論家は数あれど、工藤は事前の予測がズバズバ当たるのだ。

 当の工藤は「そりゃ当たるさ。よく観察していれば、起こり得ることの選択肢は少なくなる」と事も無げ。通算222勝の実績、現役バリバリの感覚に裏打ちされた洞察力はさすがと言うしかない。

 テレビ朝日関係者は「工藤さんの話術はもはや現役選手のレベルではない。しゃべりが流暢で内容も濃い。4連投をお願いしたのは、GL両方に在籍したことがあり、両方を語れる。特に西武・渡辺監督と親しいから」と話す。

 確かに、工藤はプロ27年で日本シリーズに14度出場し、日本一11回。うち、西武で11度(日本一8回)、巨人で2度(同2回)。ダイエーで1度(同1回)。こんな選手は他にはいない。

 そこで、6日の第5戦の放送を終えたばかりの工藤を直撃し、今後の展開を占ってもらった。

 工藤は「戦力は巨人の方が上」としながらも、「第7戦までもつれ込んだら分からなくなる。西武の特長は若さ。第4戦で巨人を完封した岸が中3日でリリーフで登板できるだろうし、(第5戦に101球で降板した)涌井も登板可能。もともと中継ぎの層の厚さで巨人が数段上だけど、こうなると遜色ない顔ぶれになる」とし、「西武はナベちゃん(43歳の渡辺監督)やデーブ(41歳の大久保打撃コーチ)が、チーム内のコミュニケーションを実にうまく取っている」と、まだ西武にも勝ち目はあると読む。

 とにかく、両軍に友人・知人が多い工藤。試合前には自然と工藤を中心に選手、裏方さん、報道陣らの輪があちこちにできる。

 西武・岸をつかまえ、「君のストレートは素晴らしいよ。ただ、もう少しウエートを増やした方がいいな(岸は180センチ、68キロ)。おれは入団時に85キロあった。もっともシーズンが始まったら、練習もきついし雑用もやらされるしで3カ月で15キロ減ったけどね」とアドバイスする一幕も。岸が直立不動で聞き入っていたのは言うまでもない。

 工藤はきょう7日、横浜の沖縄秋季キャンプに合流する予定で、第6戦以降には姿を見せないのは何とも惜しまれる。果たして西武が第6戦で逆王手をかけ、“工藤予言”の条件を満たすことができるかどうか。

 ■工藤公康(くどう・きみやす)

 1963年5月5日、愛知県豊明市生まれ、45歳。名古屋電気高等学校(現愛工大名電)から81年にドラフト6位で西武に入団。西武黄金時代の中心投手として活躍した。94年にFA宣言し、ダイエーに移籍。99年、2度目のFA宣言で巨人へ。

 2007年、横浜からFAで巨人に移籍した門倉健の人的補償として横浜へ移籍。現役最年長投手で実働27年は歴代1位。06年までに在籍した全ての球団で優勝と日本一を経験していることから、「優勝請負人」の異名を取る。

 シーズンMVP2回、最優秀防御率4回、最高勝率4回、最多奪三振2回、最優秀投手1回、ベストナイン3回、ゴールデングラブ賞3回、日本シリーズMVP2回。通算成績は222勝137敗、防御率3.40。愛称は「カリメロ」、「ハマのおじさん」など。身長176センチ、体重80キロ。2男3女の父。

【2008/11/7 ZAKZAK】
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