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若手、ベテラン、コーチまで


 オリックスのテクニカル・アドバイザー(TA)に就任した元メジャーリーガーの野茂英雄氏(40)が5日、沖縄・宮古島キャンプで初指導。日頃の寡黙なキャラクターがうそのように、早朝から熱血トルネードと化した。

 練習は午前10時スタートだったが、野茂TAが宮古島市民球場入りしたのは、なんと早出組とほぼ同時刻の午前8時45分。これだけでも驚きだったが、いきなりトレーニングルームに直行すると自転車漕ぎなどでウオーミングアップ開始。さらには選手たちがアップを始めると、負けじと旧知の清田ブルペン捕手を捕まえてキャッチボールまで披露したのだ。

 「投げるのは久しぶりらしいけど、本人は“思っていたよりボールがいっている”と言っていた。フォークも投げていたよ」(同ブルペン捕手)

 まさか引退撤回、現役復帰? 周囲からそんな声も漏れはじめた矢先、今度はブルペンへ移動。さすがにTA本来の任務を思いだしたのか、目についた投手陣に次々とアドバイスを送り始めた。

 「上体が突っ込んでいると指摘されました。ついでにチェンジアップを投げるときの親指の使い方なども教えてもらった」(プロ17年目のベテラン左腕・菊地原)

 「もっと右足にウエートを乗せるようにと。おかげで修正できました。野茂さんの滞在中は技術面はもちろん、気持ちの持ちようなど精神面も学びたい」(WBC1次候補、プロ3年目の昨季新人王・小松)

 老いも若きも、垣根などいっさいなし。ブルペンは次第に野茂ワールドに包み込まれてしまった。

 午後に入ってもトルネードの威力は増すばかり。紅白戦では佐々木投手コーチと並んで登板投手をチェックし始めたのだが、持参した見慣れないカードを初披露。詳細は不明だが、どうやら通称『ノモカード』と呼ばれている独自開発の秘密兵器らしく、同コーチにも手渡したのだ。

 「カード? あれは野茂が投手用にと考案したスコアブック。アメリカで実際に使っていたらしいけど、今後はわれわれも活用していくつもり。選手だけじゃなく、コーチも教えられることが多いよね」とは佐々木コーチ。

 練習後、野茂TAに初日の感想を聞いた大石監督に至っては、「投手陣の仕上がりは早いと思っていたけど、予想していたほどではないですね…といわれちゃったよ」と、激辛批評をちょうだいして苦笑いを浮かべるしかなかった。

 様子をうかがうマスコミには完全黙秘を貫いたが、TA初仕事は紛れもなく濃密・濃厚。今回の滞在期間中(8日まで)には夜の「ノモ教室」まで開講予定で、選手も首脳陣も気を抜く暇はない。(夕刊フジ編集委員・高塚広司)

【2009/2/6 ZAKZAK】
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