アメリカンフットボールで使われる楕円形のボールは、皆さんご存じでしょう。そのボールを「つぶしてください」と頼んだら、予想外の返事が返ってきて、驚きました。相手は阪神タイガースの新外国人、ケビン・メンチ選手です。
例年この時期、キャンプ地入りして、約１か月間、担当チームを取材する。そこで長い期間、選手たちを見ていると、意外な一面をかいま見ることもありますが、メンチ選手もその１人です。
来日したときの記者会見ではスキンヘッドで登場し、その名前をもじって、紙面には「メンチきった！」などの見出しが躍り、武闘派のような印象でした。私も初めて会ったときは、体重１００キロの大きな体とその風貌に、威圧感を感じたのです。
ところが、キャンプ地で見るメンチ選手は、最初のイメージとは少し違いました。来日して初めて実戦に登場したヤクルトとの練習試合（２月１５日）の前日、彼は報道陣に囲まれて取材を受けました。終了後、彼が持っているアメリカンフットボールのボールを潰すようなポーズの写真を撮らせてほしいと、通訳を介して頼んだときでした。
メンチ選手は「なぜ、こんなことをするのか？ 俺はそんな悪いやつではないよ！」と言ったのです。えっ、力の強さを見せてもらおうと考えついたポーズなのに、彼にすれば「悪いこと」なのか。私は一瞬、びっくりしたのですが、よく考えてみれば、アメリカンフットボールはアメリカの国技。そのうえ、彼はＮＦＬの熱烈なファンなのですから、「ボールを潰す」のは悪いことだったのです。
それでもメンチ選手は、照れながらこんなパフォーマンスをしてくれました（写真右）。その後、この写真を彼に見せると「Ｏｈ！ Ｍｙ Ｇoｄ！」と絶句。申し訳ないことをしてしまったと反省しました。
筆者略歴 石田 順平（いしだ・じゅんぺい）
京都府出身。０４年入社。重量だけなら関西で１、２を競うカメラマン。取材現場でも、流す汗の量はトップクラス。健康のため、昨年から自転車に乗り始め、休みの日には９０キロを超える巨体を揺らしながら、実家のある京都市内を疾走している。
（2009年2月19日10時00分 スポーツ報知）
例年この時期、キャンプ地入りして、約１か月間、担当チームを取材する。そこで長い期間、選手たちを見ていると、意外な一面をかいま見ることもありますが、メンチ選手もその１人です。
来日したときの記者会見ではスキンヘッドで登場し、その名前をもじって、紙面には「メンチきった！」などの見出しが躍り、武闘派のような印象でした。私も初めて会ったときは、体重１００キロの大きな体とその風貌に、威圧感を感じたのです。
ところが、キャンプ地で見るメンチ選手は、最初のイメージとは少し違いました。来日して初めて実戦に登場したヤクルトとの練習試合（２月１５日）の前日、彼は報道陣に囲まれて取材を受けました。終了後、彼が持っているアメリカンフットボールのボールを潰すようなポーズの写真を撮らせてほしいと、通訳を介して頼んだときでした。
メンチ選手は「なぜ、こんなことをするのか？ 俺はそんな悪いやつではないよ！」と言ったのです。えっ、力の強さを見せてもらおうと考えついたポーズなのに、彼にすれば「悪いこと」なのか。私は一瞬、びっくりしたのですが、よく考えてみれば、アメリカンフットボールはアメリカの国技。そのうえ、彼はＮＦＬの熱烈なファンなのですから、「ボールを潰す」のは悪いことだったのです。
それでもメンチ選手は、照れながらこんなパフォーマンスをしてくれました（写真右）。その後、この写真を彼に見せると「Ｏｈ！ Ｍｙ Ｇoｄ！」と絶句。申し訳ないことをしてしまったと反省しました。
筆者略歴 石田 順平（いしだ・じゅんぺい）
京都府出身。０４年入社。重量だけなら関西で１、２を競うカメラマン。取材現場でも、流す汗の量はトップクラス。健康のため、昨年から自転車に乗り始め、休みの日には９０キロを超える巨体を揺らしながら、実家のある京都市内を疾走している。
（2009年2月19日10時00分 スポーツ報知）
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