close
【シアトル7日共同】米大リーグ、マリナーズのイチロー外野手(32)=本名、鈴木一朗=は7日、当地でのツインズ戦で第4打席までに3安打し、日米通算2500安打を達成した。
節目の数字まで3に迫っていたイチローは、一回に通算18度目の先頭打者本塁打を放ち、四回に二塁内野安打、六回に中前打を放った。日本(9年)で1278本、大リーグ(6年目)ではこの打席まで1222本を積み重ねた。
日本のプロ野球では、張本勲の3085本を筆頭に野村克也、王貞治、門田博光、衣笠祥雄、福本豊の6人が2500安打を達成。大リーグでは過去81人(公式ホームページによる)が記録している。
★「なるべく早く打つのが目標」、「ヒットは僕の大事なもの」
乱打戦の末、サヨナラ勝ち。にぎやかなクラブハウスでイチローは上機嫌だった。いすに深々と身を沈め、2500安打の喜びを語った。
-32歳で大台に乗ったのはすごい。
「それは重要なこと。ヒットを打つことは僕にとって大事なもの。30年かけてそれをするのではなく、なるべく早く打つことが目標ですから」
-日本選手では最速の到達だが。
「そこは(日米通算のため)難しい。なかなか比較できないことですから」
-大リーグの通算記録はローズの4256安打。そこからの逆算は考えないのか。
「遠すぎます。あまりにも目標が遠く、大きくなってしまうと、つらくなってしまうことを僕は知っているつもりですから。ただ、プロに入ったときはこんなところまでくるとは想像もつかなかった。でも結局ここにくることができたのも積み重ねがあったから」
-困難を承知でワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場した後のシーズンだが。
「WBCに出た選手は全員がそうだと思いますが、シーズンも(しっかり)やれる自信があるから出ているわけです。もし、それで結果が出なかったら自分の力不足。そういうスタンスでここまできた。それは今後も変わりません」
★踏み込んで変化球を中前に-淡々とした表情のイチロー
カウント2-2で外角へ抜いた球。しかしイチローの体勢は崩れない。踏み込んだ右足を一瞬だけため、バットのしんをボールに当てる。心地よい快音とともに中前に打球が飛んだ。
日米通算の記録のため、球場での大掛かりなセレモニーはない。しかし、記者席では「イチローはプロ通算で2500本目のヒット」とすぐに告知された。
イチローは一塁ベース上で淡々していた。記念のボールが球審によって交換され、マリナーズのベンチに届けられた。
★32歳8カ月で2500安打-「これから全盛期」の期待
32歳8カ月で2500安打を記録した。ある米国の資料によれば、この数字にイチローより若くして到達したのは、大リーグでも31歳で到達したタイ・カッブしかいない。日米通算とはいえ、イチローは4191安打の“球聖”カッブと同じようなペースで節目を通過したことになる。
日本では通算3085安打の張本勲、三冠王の野村克也、王貞治ら6人が、2500安打に到達しているが、いずれも選手生活の終盤だった。これから全盛期を迎えるイチローが、順調に数字を積み重ねていくのは間違いない。怖いのは大きな故障ぐらいだ。
昨年10月22日の誕生日に「年を取った実感はまったくない」と語った。今春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で、ある大リーグのスカウトが驚いたのは、打席から一塁まで駆け抜けるタイムが縮んでいたことだ。
左打者の平均は約4・2秒、右なら約4・3秒。それがイチローは3・8秒から最近では3・7秒を記録するという。徹底した自己管理と細かい努力の積み重ねは、既にイチローの日常として言い古された。
「少しずつでも前進しているという実感は、野球選手としてだけでなく人間としても大事なこと。その実感を得るためにこちらにきた」と話したことがある。今後も厳しい道のりは続くが、それがなければ前進も自覚できないということか。
そんなイチローに敵将が異例のエールを送る。相手側ベンチで快挙を見守ったツインズのガーデンハイアー監督。「イチローは特別な選手。対戦するのは嫌だけど、彼のプレーを見るのが楽しくて仕方がないんだ」
【2006/6/8 サンスポ.COM】
節目の数字まで3に迫っていたイチローは、一回に通算18度目の先頭打者本塁打を放ち、四回に二塁内野安打、六回に中前打を放った。日本(9年)で1278本、大リーグ(6年目)ではこの打席まで1222本を積み重ねた。
日本のプロ野球では、張本勲の3085本を筆頭に野村克也、王貞治、門田博光、衣笠祥雄、福本豊の6人が2500安打を達成。大リーグでは過去81人(公式ホームページによる)が記録している。
★「なるべく早く打つのが目標」、「ヒットは僕の大事なもの」
乱打戦の末、サヨナラ勝ち。にぎやかなクラブハウスでイチローは上機嫌だった。いすに深々と身を沈め、2500安打の喜びを語った。
-32歳で大台に乗ったのはすごい。
「それは重要なこと。ヒットを打つことは僕にとって大事なもの。30年かけてそれをするのではなく、なるべく早く打つことが目標ですから」
-日本選手では最速の到達だが。
「そこは(日米通算のため)難しい。なかなか比較できないことですから」
-大リーグの通算記録はローズの4256安打。そこからの逆算は考えないのか。
「遠すぎます。あまりにも目標が遠く、大きくなってしまうと、つらくなってしまうことを僕は知っているつもりですから。ただ、プロに入ったときはこんなところまでくるとは想像もつかなかった。でも結局ここにくることができたのも積み重ねがあったから」
-困難を承知でワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場した後のシーズンだが。
「WBCに出た選手は全員がそうだと思いますが、シーズンも(しっかり)やれる自信があるから出ているわけです。もし、それで結果が出なかったら自分の力不足。そういうスタンスでここまできた。それは今後も変わりません」
★踏み込んで変化球を中前に-淡々とした表情のイチロー
カウント2-2で外角へ抜いた球。しかしイチローの体勢は崩れない。踏み込んだ右足を一瞬だけため、バットのしんをボールに当てる。心地よい快音とともに中前に打球が飛んだ。
日米通算の記録のため、球場での大掛かりなセレモニーはない。しかし、記者席では「イチローはプロ通算で2500本目のヒット」とすぐに告知された。
イチローは一塁ベース上で淡々していた。記念のボールが球審によって交換され、マリナーズのベンチに届けられた。
★32歳8カ月で2500安打-「これから全盛期」の期待
32歳8カ月で2500安打を記録した。ある米国の資料によれば、この数字にイチローより若くして到達したのは、大リーグでも31歳で到達したタイ・カッブしかいない。日米通算とはいえ、イチローは4191安打の“球聖”カッブと同じようなペースで節目を通過したことになる。
日本では通算3085安打の張本勲、三冠王の野村克也、王貞治ら6人が、2500安打に到達しているが、いずれも選手生活の終盤だった。これから全盛期を迎えるイチローが、順調に数字を積み重ねていくのは間違いない。怖いのは大きな故障ぐらいだ。
昨年10月22日の誕生日に「年を取った実感はまったくない」と語った。今春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で、ある大リーグのスカウトが驚いたのは、打席から一塁まで駆け抜けるタイムが縮んでいたことだ。
左打者の平均は約4・2秒、右なら約4・3秒。それがイチローは3・8秒から最近では3・7秒を記録するという。徹底した自己管理と細かい努力の積み重ねは、既にイチローの日常として言い古された。
「少しずつでも前進しているという実感は、野球選手としてだけでなく人間としても大事なこと。その実感を得るためにこちらにきた」と話したことがある。今後も厳しい道のりは続くが、それがなければ前進も自覚できないということか。
そんなイチローに敵将が異例のエールを送る。相手側ベンチで快挙を見守ったツインズのガーデンハイアー監督。「イチローは特別な選手。対戦するのは嫌だけど、彼のプレーを見るのが楽しくて仕方がないんだ」
【2006/6/8 サンスポ.COM】
全站熱搜
留言列表