close
就任5年目でリーグ頂点に

 智将に名捕手、さらに野手を引っ張るショートも、結局はこの男が熱意を持って迎え入れた人材だ。デーブ・ドンブロウスキーGM(50)。ア・リーグ優勝決定シリーズがオルドネスのサヨナラ本塁打で決し、改革の成果が実を結んだあの瞬間、両手をつき上げて誰よりも喜んでいたのが同GMだった。

 ワールドシリーズ敗退は呆然(ぼうぜん)とするほどショック-と思いきや、すでにシリーズ終了直後から来季へと動き始めていた。同GMはAP通信の取材にこう話している。

 「Wシリーズで勝つため、すでにオフィスから出て活動している。来季のためには今が一番重要な時期。来週には(マイナー施設のある)フロリダへ飛んで、スカウトやコーチとFA選手の獲得やトレードについて話し合う予定だ」

 球団事務所にはあまり足を運ばない。オフィスのように使っているのは、デトロイト郊外のスターバックス・コーヒーのショップだ。店の一番奥に陣取り、左手に携帯電話、右手にペン。開店直後から電話をかけ続ける普段通りの日々はもうスタートしていた。

 マーリンズGM時代の97年、リーランド監督とのコンビでWシリーズ制覇。その後タイガースに移籍し、GM就任5年目でリーグの頂点に達した。しかし、決して成功ばかりではなく、「守護神のつもりで獲得したパーシバルは2年も棒に振った。オルドネスも今年は通年で出場できたが、当初は『あんなケガ持ちを獲って大丈夫か?』と言われていた」(地元紙記者)。一方でメジャー関係者の間には好意的な評価もある。

 「彼が情熱を持って取り組んだマイナーの実力アップ、速球派投手を中心にした守りのチームづくりは間違っていなかった。積極的に動けば失敗もある、ということ」

 補強ポイントを的確に把握し、積極的に動き続けた同GMでも、結果を出すまでに5年かかった。チームを根本から建て直すには中、長期的な視野と、それを支える経営側との信頼関係が不可欠。タイガースの復活劇は、日本でBクラスから抜け出せない球団にもよき手本となるだろう。=おわり

【2006/11/2 ZAKZAK】
arrow
arrow
    全站熱搜

    ht31sho 發表在 痞客邦 留言(0) 人氣()