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マウンド支えるナイスガイ

 ワールドシリーズ終了直後、デトロイト・ニューズ紙は各ポジションや首脳陣の来季補強ポイントについて解説。厳しい見通しが並ぶ中、ショートのカルロス・ギーエン(31)だけは、「チームで一番価値ある選手。来季まで契約が残っているのはタイガースにとってよいこと」とプラス評価に終始した。

 ギーエンはベネズエラ出身。98年にAロドリゲス(現ヤンキース)の控えでメジャーデビューを果たし、Aロッドの移籍後は後任として期待されるも鳴かず飛ばず。ところが、04年にタイガース入りするといきなり打率.317、20本塁打、97打点をあげて中軸打者へと成長した。

 打撃成績はもちろんだが、数字に出ない貢献度を評価されている。Wシリーズの試合中、マウンドに1人で駆け寄って投手に耳打ちするシーンが何度も見られた。

 「捕手がマウンドに行き過ぎると、逆に投手は落ち着かなくなる。捕手が間を入れたいと思っているのに行けない、というタイミングで、彼は必ずマウンドに行ってくれる。そんな訳で、マウンドに行く回数は捕手よりギーエンの方が多い」(球団関係者)

 特にボンダーマンなどの力投派の投手は、こうしたギーエンの配慮に何度も助けられたという。

 「守備、走塁を含めた野球全般に対するIQはチームで一番高い」とは地元紙記者。「だからリーランド監督も非常に信頼している。将来は監督になれる器だと思うね。ロッカールームでも話しやすい雰囲気だし、研究熱心で自分の言葉を豊富に持っている」(同)と、メディアも好感度を持つ。

 日本ではかつての西武黄金期の石毛、現在のメジャーではヤンキースのジーターのように、強豪球団には必ず不動のショートが存在する。Wシリーズでもカージナルスのシリーズ制覇に貢献してMVPに輝いたのは、ショートのエクスタインだった。

 リーグ優勝決定シリーズMVPの3番ポランコが不振に陥り、Wシリーズ後半では代役の3番を無難にこなした。来季は主に「3番ショート」として、攻守両面にわたって今季以上の活躍を期待されることになりそうだ。

 =つづく

【2006/11/1 ZAKZAK】
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